凍結保存には高額の費用が…

一方でこの妊よう性大きな壁となっているのが費用の問題です。精子や卵子を凍結し、温存するには医療保険が適用されないため、高額な費用がかかります。経済的負担からあきらめる人も多いと言います。

こうした中、富山県では令和3年度から妊よう性温存療法の助成制度を始めました。43歳未満のがん患者を対象に、精子の場合はおよそ2万5千円、卵子の場合はおよそ20万円助成します。

金沢市のクリニックでも助成制度が始まってから温存療法を選択する人が増えているといいます。

たまごクリニック 上林大岳医師:
「確実に増えていると思う。なるべく体への負担ももちろんだが、経済的な負担もなるべく少なく温存療法ができる体制は徐々に整いつつある。」

がんと共に生きるAYA世代。妊よう性は希望をもって治療に望める選択肢の一つです。

30歳の時に白血病を発症した男性:
「10代のころって結婚とか出産って言われたときにどう考えているかってすごい難しい。イメージがわかない。妊よう性の話になると病気と同時に進行していかないといけないところだが、治療優先することがもちろんだが治療後の生活も非常に大切だよね」

がん看護専門看護師 樋口麻衣子さん:
「今は治療したあとも生きていく時間が長くなってきたし、治ってくる人も多くなったので、それってすごく大きくって。私たちはその先を生きるために今、治療をしているのであって、治療した後も我慢して生きてほしくない。」