「恩恵」と「危険性」の狭間で

阿部さんは、原発による「恩恵」は理解しているとしながら、その危険性を見過ごすことはできないと話します。

阿部美紀子さん:
「いちばん肝心なことは、原発があるために避難計画をたてなくちゃいけない、避難計画イコール町を捨てる、逃げる。そういう危険なものであるっていうことをまず第一に考えてもらいたい」

町の未来のため、当時、町民が迫られた決断からおよそ50年。原発が町にもたらす「経済的な恩恵」と「危険性」の狭間で2号機は再稼働を迎えようとしています。

当時の町民たちは、町の将来を本気で考えていたから、対立してまでも10年以上にわたり主張を戦わせたのですね。阿部さんは、仲間からの「原発に反対してきた歴史を消さないでほしい」という言葉に心を動かされ、町議に立候補したそうです。賛成派の木村さんも、流れに身を任せるのではなく、今後、原発をどうしていくかは、将来を担う若い世代にこそこれからも考え続けて欲しいと話していました。