イチローの大飛球が校舎の窓ガラス直撃!?
イチロー氏がフリーバッティングを始めると、多くの部員がその周りを囲んだ。食い入るように見つめる部員たち。飛距離は「49歳より50歳の今の方が伸びている」というイチロー氏。14球目には、校舎直撃弾。さらに屋上に打球を乗せた際には部員たちも思わず「えぐっ!」。結局5本が校舎を直撃し、そのうち1本は窓ガラスを直撃するなど、そのパワーに部員たちは雄叫びを上げ、拍手喝采した。

「大丈夫ですか?」と心配するイチロー氏に「北海道は二重ガラスなので。北海道は(ガラスが)2枚なので」と声が飛ぶ。50歳にして未だ衰え知らず。最後まで部員たちを驚かせ続けたイチロー氏は金言も残した。
「バテてきた時にどういう形を保てるかが大事。楽して打とうとすると、その形が身についてしまうので、要注意。しんどいけど正しい自分の形を保ってバットを振る。これが大事。それが上手くなるチャンスだと思います」
2日目も部員たちの質問攻めからスタート。「緊張してます」と練習前に話していた唯一の女子選手、中山志輝さん(1年生)がイチロー氏のもとへ向かった。

中山選手:バッティングで自分の感覚は大事にしたほうがいいですか?
イチロー氏:もちろんです。そりゃそうだよ。
中山選手:先生に言われたりするんですけど・・・しっくり来なければ、やらなくてもいい?
イチロー氏:一度やってみる、しばらくやってみる。それで違うなって自分なりに答えを出したならそれはもう捨てていい。プロの世界でもコーチ、毎年変わる可能性があって。そのコーチの言うことを毎年聞いて自分の形を変えてたら、何が何だか分からなくなっちゃうから、しっかりした自分の形は、確固たるものをまず作る。その上で色んなアドバイスを取り入れるか入れないか、そういうスタンスの方がいいと思う。
中山選手:はい、分かりました!

さらにこの日は、イチローの代名詞である背面キャッチの練習も行った。
「目から離れている所で、どこにボールがあるか分からないと取れない。遊んでるようだけど、背面で取れたら、前で取るの簡単でしょ」。イチロー氏がお手本を示し部員たちが挑戦するが、なかなか上手くいかない。
「結構難しいからね、これ。風もあったりしたら。でもめっちゃいい練習だから。冬のいい練習になる。これが出来るようになれば、普通のフライが簡単に感じます」
何度も何度も挑戦する部員たち。取れたり、取れなかったり。そこには笑顔が溢れていた。