「膝を上げない」球児たちへ“イチ流”アドバイス
11月4日、11時40分過ぎ、球児たちの憧れるイチロー氏が同校のグラウンドに現れた。

「初めまして、イチローです。見たよ、みんなからの動画。えーとね、今津君。『鈴木さん』て言ったよね。俺自分でも鈴木さんて忘れるくらい。僕のこと鈴木さんて呼ぶの、高校の後輩か病院の待合室くらい。その後『鈴木一朗さん』て言ってたけど、何で『鈴木一朗さん』だったの?」
これに対し今津選手は「本名で呼ぶのが礼儀かなと」。笑いに包まれるグラウンド。そしてイチロー氏は訪問の経緯を次のように語った。
「(旭川東は去年)53年ぶりに出た決勝も負けてしまった。切なすぎて。でも実はそこで勝ってたら僕来てないんですよ。同じように11回目を経験した旭川東が、ちょっとでもきっかけになれたらなという思いで今日は来ました。僕、今日一緒にみんなと練習するので、疑問があったり何か聞きたいことあったら聞いてもらっていいし、その2日間だから、一緒に練習して何か感じてもらえればうれしいです」
ウォーミングアップから始まった練習。ダッシュに取り組む部員たちを見て、早くも“イチ流”のアドバイスが飛び出した。
「膝を上げてダッシュしてるよね。出来るだけ膝を上げない。膝を上げると、スピード出ない。前傾したいんだよね、走る時は。スピードに乗っていきたい。膝を上げずに前傾姿勢を保ったまま推進力を上げる」と言い、低い姿勢でダッシュをしてみせる。
「今、前傾してるの分かる?膝は上がるんだけど意識して上げていない。そのための4つのポイントは『ひざはなるべく上げない』『前傾姿勢を保つ』『スピードを上げるために腕を後ろに振る』『膝から下を振り上げる』。これでストライドが伸びる」