ダンサー最後の日「悔いはない、今はわくわくしている」 

岩田さん
「信長が始まって、楽しくて楽しくてしょうがなくて。終わりの方になったら急にさみしくなった。それでも最後まで出来て。何よりお客さんの拍手が嬉しいですね。これは最後ですが、満足して、幸せです。寂しさもあり、肩の荷が下りたこともあり。でもこれから、やりたいこともある」

次の日も、岩田は舞台にいた。「指導者・岩田守弘」として、だ。

岩田さん
「自分をどこまでも信じて、絶対的な自信をもってやって。良い踊りができるよ。あした」

ロシアバレエで得た全てを、未来を担うバレリーナへ「繋ぐ」。
最後に、岩田に問うた。

山本キャスター
「これまでのダンサー人生、悔いはないですか?」

岩田さん
「悔いはないです。とても幸せな・・・なんかもう死ぬみたいな感じですよね。でも本当に悔いないし、自分がやってきたことを誇りに思ってます。自分が素晴らしいダンサー人生を送らせてもらったから、僕以上にいいダンサー人生を送れるような若者たちの助けになるっていう夢がありますから、今は全然寂しくないですよね。わくわくしてます」

喜入友浩キャスター:
美しいですね。バレエは詳しくないんですけれども、海を渡って本場で活躍してそして日本で引退するイチロー選手のような、そんな凄さを私は感じました。

山本キャスター:
私は岩田さんの最後の舞台を観劇したんですけれども、本当に表情豊か、表現力豊かでその世界に引き込まれるんですよ。だから正直、もっと踊り続けて欲しいなって思ってしまったんです。けれども岩田さんは、今回の公演を最初は出演自体を断ったそうなんですよね。

だけれども、蘭黄さんの「芸術と政治は関係ない」という強い思いに感銘を受けて自分を奮い立たせて出演することを決めたということなんです。

喜入キャスター:
芸術と政治、関係ないところですけれども、いざ戦争が起きると巻き込まれてしまう。理不尽な思いをさせられてしまうという。

山本キャスター:
ただ岩田さんはお話の中で、芸術というのは、政治をも動かす力があると思うとおっしゃっていました。ダンサーとしては引退をしましたけれども、これから指導者として芸術の力を信じ続けるわけですよ。ぜひこれからも、追い求めてほしいなと思いました。