【佐賀県】

28日、もう1試合は、佐賀県では圧倒的な強さで41大会連続出場中の佐賀工と、2021年の創部以来時間を重ねるごとに成長の後を見せている早稲田佐賀の対戦。選抜大会ベスト8、夏の7人制大会では初の全国制覇、全国でも屈指の戦力を有する佐賀工が試合開始から早稲田佐賀を圧倒します。開始2分、SO服部良太選手のトライで先制すると、その直後、今度はチーム一の快速ウイングの内田慎之甫選手が50メートル以上を走り切ってトライ。その後も圧倒的な個人の能力の高さを見せて得点を積み重ねていきます。

それでも早稲田佐賀は決して諦めません。突き刺さるようなタックル。体を張ったディフェンス。1年間の努力を感じさせる戦いぶりで食い下がります。しかし、後半は早稲田佐賀の体力が落ち始めて、さらにトライラッシュ。結局、佐賀工が前後半合わせて16本のトライを奪って、106対0で勝利。42大会連続52回目の全国大会出場を果たしました。

高校日本代表候補選手を数多く擁して10月に行われた国体でも決勝戦に進出。「新チームになったときに日本一という目標を立てた。さまざまところをもう一度見直して、ひとりひとりが自信を持って戦って、花園では優勝したい」と大和哲将主将が話した佐賀工。悲願の全国高校ラグビー大会制覇が叶うか注目が集まります。

【秋田県】

10月29日(日)には、全国大会最多優勝15回を誇る名門・秋田工と秋田中央による秋田県大会の決勝が行われました。3年連続の同じ顔合わせとなった決勝戦、先制したのは秋田中央。開始4分、門間奏汰選手からのキックパスを受けたウイングの加賀谷翔栄選手がトライ。2年続けて秋田工の前に涙をのんでいる秋田中央が5点のリードを奪います。

しかし、秋田工も10分、鍛え上げられてきた底力を見せます。バックス陣の早い連携から、最後はFB安田心平選手がトライ。ゴールも決めて7対5と逆転します。さらに24分、ラインアウトからのモールを押し込むと、HO小林慶伸選手がトライ。12対5とリードをひろげます。

それでも1トライ1ゴールで追いつける差。後半に入ると秋田中央が同点を狙って秋田工陣内深くまで攻め込みます。しかし、さすがは伝統校。粘り強く集中力の高いディフェンスで秋田中央に得点を許しません。最後まで規律の取れたディフェンスを見せた秋田工がこのまま逃げ切って、4年連続、最多となる71回目の全国大会出場権を手にしました。