
夢の実現の陰にあるのが「コロナ禍」の苦しみです。

魚の匠 高喜 店主 佐藤高樹さん:
(ホテルの料理人時代は)ひと月の半分以上は自宅待機。給料の面も会社も頑張ってくれたが、カットの部分があったので厳しかった。

新型コロナで「飲食業の限界」を感じたという佐藤さん。苦悩の果てに考えたのが飲食と食品販売を一緒にした業態です。

佐藤さん:
何があっても負けないお店。業態をうまく変化できる。飲食をしている間も販売ができる。すごく大変ではあるがやりがいがある。

この選択の一方には「山梨の食文化の向上」という願いもあります。

その代表が県のブランド魚「富士の介」。予約限定のディナーコースでは、ひと手間かけた昆布締めにして提供します。

武藤裕美 記者:
見事な茜色と表面のツヤ。見た目にも品質の良さを感じます。上品な脂の乗りと昆布のほんのりとした旨味を感じる。身も引き締まってとてもおいしい。

佐藤さん:
山梨県の食材はまず地元の方に食べてもらって「こんなにおいしいんだ」って。魚だけじゃなくて甲州牛、富士桜ポーク、野菜もフルーツもあるし、食材の宝庫だと思う。

ハレの日を彩る高級ホテルから普段の食卓を支える町の鮮魚店へと活躍の舞台を移した佐藤さん。

「食べる人の幸せ」を願う心は変わることなく厨房に立ち続けます。

佐藤さん:
生きる上で食べることはものすごく大切で、サポートできたらいい。おいしいお魚を食べて健康で、皆さん長生きしてもらいたいと思う。