イスラエルとハマスの戦闘をめぐり国連総会で採択された、「人道目的の休戦」などを求める決議を日本政府が棄権した理由について、岸田総理は「全体として内容面でバランスを欠いているため総合的に判断した」と明らかにしました。

共産党 宮本徹衆院議員
「この決議に日本政府は棄権をいたしました。総理なぜ棄権したんですか」
岸田総理
「ハマス等によるテロ攻撃への強い非難や、全ての国連加盟国が国際法に従って自国及び自国民を守る権利の重要性に関する言及がないなど、全体として内容面でバランスを欠いているとしたために、我が国として総合的に判断し、棄権をした次第です」

30日の衆議院予算委員会で岸田総理は棄権の理由についてこのように述べた上で、「カナダが提出した修正案は、ハマスによるテロ攻撃及び人質拘束を明確に非難する旨を追加する趣旨がある」として、カナダの修正案については、「我が国として賛成をした」と明らかにしました。

27日に採択した「人道的休戦」を求めた国連決議案をめぐっては、アラブ諸国やロシア・中国など121か国が賛成する一方、ハマスを名指して非難していないことなどを問題視したアメリカやイスラエルなど14か国が反対、日本やイギリスなど44か国が棄権しています。