『残土』『地盤に含まれるヒ素』に不安…「地域にとっては負の財産が残る」

 危機感を募らせる人たちは他にもいます。京都府南丹市の美山町に住む長野宇規さん。静かで四季折々の自然が楽しめる美山の生活に魅了され、20年ほど前に家族と移住してきました。長野さんの住む地域は約60人ほどの小さな集落。そこに…。
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 (長野宇規さん)「このあたりが建設可能性地域の真ん中になるんですけれども、ここに巨大なコンクリートの橋脚ができて、頭の上を新幹線が通るイメージ」

 福井の小浜側と京都側のトンネルをまたぐように整備された橋脚を新幹線が駆け抜けるイメージだそう。4年前、鉄道・運輸機構の住民説明会で初めてこうした内容を知らされたといいます。

 (長野宇規さん)「時速260kmで新幹線が出てきてバーンと通っていくみたいなイメージですね。音がすごいと思うんですよね。これは大変だなと」

 実は地域計画の専門家でもある長野さん。今後、工事が進み山を掘れば、多くの残土が出ることになりますが、そこにも不安を感じています。美山町の地盤には、空気に触れると有害な影響を及ぼす可能性のあるヒ素などが含まれていますが、それを処理する場所などが決まっていないというのです。
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 (長野宇規さん)「新幹線が通ると、乗っている人は良かったということになるかもしれませんけれど、地域にとってはずっと負の財産が残るということですよね」