“モードチェンジ”の経験がない中国・韓国の造船業界


長崎市出身の橋本州史 さんは、東大大学院修了後、三菱重工に入社。
入社以来、船の設計に携わり、2012年から1年4か月の間、長崎造船所の所長を務めた、造船業のプロフェショナルです。
橋本会長:
「正直言って、この20年近く、造船業は“コスト競争”にもう本当に縛られていたわけです。いかに安く作るかとか、いかに効率よく安く作るかということが大きな主眼だったんです。
しかし、これからは『どんな船を作る』のか、どれを『どうやって運航する』のか “物を運ぶ”という原点に戻って、最適の『サプライチェーン』をどう取っていくか、『燃料』をどうやって調達していくかというような、非常に大きな動きになると思います」

【平】いろんな変化がある中で、これを長崎の造船業界が取り込んでいく、取り込んでいけるのか、取り込むためには何をしていけばいいのか、その辺はいかがですか?
橋本会長:
「中国、韓国のシェアは21世紀になって大きくなっているんです。ということは、こういう “モードチェンジ”をしたことがないんです。
日本はこれまでに『新しい機種を開発してきた歴史』を持っています。長崎は元々、その中心だったんです。
ですから長崎が開発した “船の機種”ですね。これはおそらく世界でもトップだったと思います。ほとんどあらゆる船、機種を作ってました。
ということはそれを全部開発した歴史があるということです。
だから、そういうものはやっぱり大事に残して、企業間の連携の中でも使っていかなきゃいけないというふうに思っています」