イスラエル占領のパレスチナのいま
家宅捜索をするイスラエル兵
「来い!身分証明書を見せろ!」
イスラエルが占領するヨルダン川西岸地区。深夜にパレスチナ人の家に押し入るイスラエル兵。
この地域で日常的にこうした任務に就いていた元兵士は今、後悔を口にします。
元イスラエル兵
「『自分はなぜこんなことをしてるんだろう?』と自問していた。民家に押し入る時、逮捕する時、捜索をする時、住民の中に怒りと憎しみを見ました」
イスラエル国内にはこうした元兵士らによるNGOが作られ、自分たちの「加害行為」を問い直そうとしてきました。しかし今、イスラエル国内ではそうした自省の声は、急速にかき消されつつあります。
地上侵攻はイスラエルの国内事情も
10月27日、イスラエルの部隊が、海からガザ地区に上陸し、ハマスの拠点を襲撃したと発表。本格的な地上侵攻が目前に迫っています。

10日前の世論調査では、65%が地上侵攻を支持。
ハマスの奇襲を防げず、1400人もの犠牲を出したことで、ネタニヤフ首相の責任を問う声も高まっており、低迷する支持率を挽回しようと、地上侵攻に出る可能性は日に日に高まっているのです。
ネタニヤフ首相
「数千人のテロリストを殺害したが、これは始まりにすぎない」
今回の地上侵攻は、これまでになく恐ろしい惨状となるのでは、と土井さんは警鐘を鳴らします。
土井敏邦さん
「(イスラエルの)一般市民だけでなくて兵士の間でも復讐心がもの凄く強い。あんな残虐なことをするあいつらを生かしておくものかと。だからこそ怖いんです、今回の侵攻は。簡単に我々は地上侵攻という言葉を使うけれど、1人1人の人生が破壊されていくわけです」
さらなる憎悪の連鎖を生み出す地上侵攻。私たちにそれを止める術はないのでしょうか。
(「サンデーモーニング」2023年10月29日放送より)