地上侵攻を取材したジャーナリストが見た“地獄”
2014年の地上侵攻の際、ガザ地区の中で30日もの間、取材を続けたジャーナリストの土井敏邦さん。今回、地上侵攻が起きれば、大規模な市民の巻き添えは避けられないといいます。

ジャーナリスト・土井敏邦さん
「ハマス戦闘員は民衆の中に浸透している。例えば家族の中に戦闘員がいることを家族でさえ知らないケースもある。それを殲滅しようとすれば、疑わしいものを殺していく、という形になっていく。一般市民がどれだけ犠牲を払うのか、地獄ですよ」
実際、土井さんがつくった映画では、両手を挙げた、無抵抗の夫が目の前で射殺されたパレスチナの女性の証言があります。
夫が殺害された妻
「『この家の主人は誰だ?』と兵士が叫んだ。夫は『私です』と答えたけど、直後に眉間と胸を撃たれた」
片や、攻め入った側のイスラエル兵は、「400メートル以内にいる者は全て敵とみなすように指示されていた」といいます。
イスラエル兵
「(司令官は)撃てと私に言ったので質問しました。『それが無実の民間人だったらどうしますか?』と聞いたら、無実の民間人などいないと思えと」

この2014年の侵攻では、ガザ側で市民を中心に2100人以上イスラエル側で兵士ら70人が犠牲になりました。
ところが今回、すでに空爆などでパレスチナ側の死者は7000人以上。
地上侵攻が行われれば、さらに多くの市民の命が奪われます。
しかし今、その悲劇の足音が確実に近づいているのです。
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