そして迎えたイベント当日。
総勢70人のスタッフが、宴の準備を進めていきます。

齋藤社長はテーブルから見える景色を確認。

気にかかるのが、日が沈んだあとの冷え込みです。

齊藤社長:「きょうは(イスに)カイロを貼って対応するので イスを下げた時にぬくもりを感じる張り方になっているか…」

田邊シェフはスタッフとサービスの手順を打合せ。

一角に作られた特設のキッチンも次第に緊張感に包まれていきます。

そして、午後5時すぎ、ゲストの入場が始まりました。

厳選した食材にこだわるディナーの料金は、1人10万円。

外国人観光客の姿が目立ちます。

「乾杯!」

提供される料理は全部で10品。

色とりどりの信州野菜や市田柿などを使った前菜に…。

佐久鯉は、ちり酢のソースで味わいます。

■日本料理 銭屋(金沢)高木慎一朗シェフ:「今回鯉を料理したの初めてなんですよ びっくりするくらいおいしかった くさみがなく、肉質がしっかりしていてうまみがある」

温かな煮物椀は、地元産のニジマスの練り物に、秋の味覚の王様、マツタケも。

ライトアップされた天守を眺めながらの優雅なディナータイム。

料理に合わせた信州のワインや日本酒も提供されます。

歴史的建造物と食のコラボレーションで特別な空間を演出し、高い付加価値を持った観光地であることをアピールします。

日本料理 銭屋(金沢)高木慎一朗シェフ:「金沢城跡でディナーも行われるようになったので、これから先、日本がいろいろな形で新しい観光資源を開発する上で見直さなければ歴史的遺産、建築物を含めて、活用の仕方としては新しいアイデアの1つだと思う」

2日間で80人が訪れ、収益の一部は、市に寄付され、松本城の保全活動に使われます。

来場した客:「信州の食材をしっかり使い この文化を次世代につなげたいという思いで提供されるお皿のひとつひとつに 本当に感動しました」

オーストラリアからの客:「私の経験したなかで最も素晴らしい食事だった」

「ヒカリヤニシ」田邉真宏シェフ:「信州の食材をいろんなシェフたちにPRできるのはうれしいことですし、分かち合えることはとても素敵なこと」

イベントを主催した扉ホールディングス 齊藤社長:「『信州のクオリティーもよくわかった』という声が多く 価値のあるものをちゃんと伝えられたと思う 生産者や地域の方々が潤うようなことを引き続き企画としてやっていきたい」

地域の宝である文化財をどんな形で観光や街の活性化に生かしていくか。

活用の一つのあり方を提案するイベントとなりました。