1年半後に迫った大阪・関西万博ですが、建設費が2倍近くに膨れ上がり、パビリオンに単独出展を断念する国も出るなど混乱が広がっています。インフラ工事も大幅に遅れが出ているということです。課題山積みの現状を詳しく解説します。
工事原価は過去最高
埼玉県川口市のオフィス建設現場では、11月の完成を目指し工事が進められています。
建設会社が頭を悩ませているのは資材価格の高騰です。

9月の工事原価はマンションや工場などいずれの分野も過去最高値を更新しています。
坂本企画 坂本喜孝代表社員
「こんな急激な建材(価格)のアップは今まで経験したことない。異常だ」
建設費高騰が直撃しているのが、大阪の埋め立て地・夢洲で行われる大阪・関西万博です。
2025年日本国際博覧会協会 石毛博行事務総長
「500億円増の2350億円が必要となるという精査結果となった」
協会は資材や人件費の高騰を理由に、建設費が2倍近くに膨れ上がると報告。

建設費は「国」と「経済界」、「大阪府・市」が3分の1ずつ負担する取り決めです。
より深刻なのは「間に合うか」です。
パビリオン出展国との調整が難航。
工事は大幅に遅れています。インフラにも影響が出ています。
会場予定地の▼電力開通は早くても来年5月、▼下水道設置も再来年1月となる見込みです。
ゼネコン関係者
「まだ設計図も出てきていない。工期に間にあわせるため進めたくても不安がある」
大幅な遅れで建設費を日本側が「一時的に肩代わり」する案まで浮上。
日本建設業連合会 宮本洋一会長
「限られた期間で完成できる建物を発注してもらうことが重要だ」