犯罪被害への理解を広めようと、遺族などが支援条例の必要性などを話し合うシンポジウムが長野県で開かれました。

加害者への恐怖から転居。

ネット上の事実無根な書き込み。

残された家族の原因不明の嘔吐・・・。

8年前に中学生の長男を亡くした母親が語った「苦しみ」とは。

「事件後の生活はつらく、もうこれ以上繰り返してほしくない」

講演の前置きでこう語ったひとりの女性。

8年前の2015年、佐久市で起きたわき見運転による事故で当時中学3年生だった長男の樹生(みきお)さんを亡くした和田真理(わだ・まり)さんです。

全国すべての自治体で犯罪被害者を支援の条例制定を目指す「被害者が創る条例研究会」が長野市で開いたシンポジウムで演台に立ちました。

事故は過失運転致死、スピード違反、道路交通法の救護義務違反=「ひき逃げ」と7年の間に違う罪で3度の裁判が開かれるという異例の経過を辿り、現在も決着していません。

和田さんは裁判で納得のいく判決を得られず、息子の無念を晴らそうと、夫の義光さんと真相を究明する活動を続けてきましたが、その経験は苦しいものでした。