女子バスケウインターカップ県予選決勝。第3クオーター終了間際、小禄高校に追いつけない石川高校の窮地を救ったのは、唯一の3年生、崎原心美だった。味方のドライブを信じて、コート右の3ポイントラインでパスを待っていた崎原が放ったシュートは、高い放物線を描き、リングを貫いた。

チームの重い空気が一変したその瞬間は、名作バスケット漫画・スラムダンクの陵南戦で放った小暮公延(メガネ君)の3ポイントシュートと酷似していた。彼女の3年間が詰まった1発のように見えた。

2年前まで部員はたった3人だった石川バスケ部

高校バスケの集大成、ウインターカップの切符をかけて全国で予選大会が行われる中、沖縄では2年連続で決勝に駒を進めた小禄と、大会5連覇で女王として君臨していた西原を準決勝で下した石川が、1枚の切符をかけて対戦しました。

実はおととしまで部員はたった3人、チームの存続が危うい状態だった石川バスケ部。しかし名将・崎浜秀勝監督が就任したことで、新入生たちの入部が増加。新人大会や県総体で実績を積みながら、ついに全国まであと1勝の舞台までやってきました。

その石川のメンバーには3年生は1人しかいません。4人いた3年生のうち、県総体が終わったあとも、唯一チームに残ったのが崎原心美でした。