文化勲章を受章した金沢市の陶芸家・大樋陶冶斎(おおひ・とうやさい)、本名・奈良年郎氏が、17日亡くなったことが分かりました。95歳でした。
大樋陶冶斎氏は、江戸時代に加賀藩の茶の湯文化の発展を支え、およそ350年に渡って巧みの技が受け継がれる、金沢発祥の大樋焼十代目として研さんを積み重ねてきました。

1999年に日本芸術院会員に、2004年には文化功労者に選ばれるなど、国内を代表する陶芸家の地位を築き上げ、2011年には文化勲章を受章しました。
陶冶斎氏の長男で十一代・大樋長左衛門氏によりますと、17日午前、脳出血のため石川県立中央病院で亡くなったということです。19日午前、近親者のみで葬儀を済ませ、後日お別れの会を行う予定です。

長男の長左衛門氏は「本当に負けん気の強い人だった。苦難なことがあっても乗り越える父親で、負けん気が上りつめた原動力だった」とコメントしています。