ガザの病院に爆撃で…ヨルダン川西岸でも激しい抗議
ホラン千秋キャスター:
ガザ地区の病院が爆撃を受けました。住民の抗議デモがあったパレスチナ自治区のヨルダン川西岸から増尾記者の報告です。

増尾 聡記者:
ヨルダン川西岸の都市で、パレスチナ人が4万人ほど住むラマラという場所です。深夜から未明まで続いたデモですが、現在は落ち着きを取り戻しています。目立った混乱は確認されていません。ガザ地区での病院の爆発を受けて、きのう夜に始まったデモには、数千人の住民が集まり、その時にタイヤなどを燃やした跡、地面が真っ黒に焼け焦げていまして、また、石などの様々なものを投げつけていたということで、破片などが散乱した状態が今も残っています。

ガザでの病院爆発については、どちら側によるものかは分かっていませんが、デモの参加者は「イスラエル側によるものなんだ」と、皆一様に怒りをあらわにして興奮した状態だったということです。
それに加えて参加していたデモ隊が求めていたのは、パレスチナ自治政府のアッバス議長の退陣です。アッバス氏は、10月7日のハマスの越境攻撃については、欧米諸国との関係を意識して、きのうのデモまでコメントをせずに沈黙を貫いていまして、ガザの人に同調的な西岸のパレスチナ人からは非難の声が上がっていました。
そうした不満が一気に爆発した形で、デモでは参加者と治安当局と衝突する場面があり、参加していた住人2人が死亡しています。アッバス議長はきょうから3日間、喪に服すことを宣言していまして、全土では学校や店など全て休止となりましたので、現在は落ち着きを取り戻している状況です。
10月7日の戦闘以降、ヨルダン川西岸全体では散発的にパレスチナ人とイスラエル当局の衝突があり、50人以上が死亡するなどしています。