■これぞ手作り 手間暇かけたジビエのソーセージも
大学卒業後、東京の食肉加工会社に就職した中村さん。その後熊本に戻り精肉加工の仕事に携わってきました。その経験から地元 槻木で捕獲したジビエの解体などを手伝っていましたが、販路拡大につながればと、知り合いの工房でハム・ソーセージづくりを修行。
そして、故郷に自分の工房を構えました。
この工房では、肉の下処理から徹底的にこだわっています。
中村 正廣さん
「食べた時に硬さやスジっぽさがないように丁寧に整形しています。食感のよさを求めているので整形にはこだわっています」
手間暇をおしまない中村さんのハム・ソーセージづくり。
仕込みから完成までには数日を要します。

この日は前日仕込んでおいたジビエのソーセージ作り。炭火でじっくり3時間かけて乾燥させます。ちなみにこの燻製室は…?
中村 正廣さん
「これは全部自作です」

自作ゆえの苦労も…
中村 正廣さん
「機械ならば設定すればそれで出来上がるんですけど、僕の場合は手製で調整が非常に難しいんですよ。これこそ 本当の手作りです」
乾燥後、桜の木でいぶしてくと、おいしそうに色づいていくソーセージ。一晩おいてボイルすれば完成です。一つ一つ丁寧に作られた製品は地域の人たちからも好評です。

住民
「おいしかった!ちょうどよか味だった」
「ほとんどひとりで食ったばい」
「一般的なものよりも柔らかくて、ひいき目に見ているかも知れないけれど、よそのものより美味しいと思う」
「しょっちゅう食べているし、子どもにも送っている」
ところで、こちらの商品には料金が2種類あるようですが…実は注文して取り寄せるより、工房ではかなり安く販売しているんです!

中村 正廣さん
「現地価格。工房での利益はあまりない。利益差は ここに来てもらう人たちに槻木を知ってもらうためのコマーシャル代のようなもの」
地域の人が口をそろえるのが、槻木に来てその魅力を感じてほしいということ。住民にとっては住み続けたいと思える場所だといいます。
中村 正廣さん
「ここで何かをやっていて人の往来が何かしらあれば、10年先 20年先でも槻木に人がやって来る可能性はある」
中村 悦郎さん
「地域を絶えさせないことが一番」
住民
「楽しみにしています、ここを」
限界集落に希望の光をともす中村さんの挑戦は始まったばかりです。
