今月4日に埼玉県で出された子育てに関する条例案。小学3年生以下は子どもだけで公園で遊ぶこと、登下校すること、留守番などが全て“虐待”にあたるとされ禁止され、抗議の声が広がっていました。これを受け、条例案を提出した自民党県議団は、一転して取り下げを決定しました。

小学生の母親「ひとり親にしわ寄せがくる」

宮本晴代キャスター:
こちらは、埼玉県の議会で出された、子どもの子育てに関する条例案です。

埼玉県虐待禁止条例の改正案
小学3年生以下の子どもを自宅に残して外出することなどを禁じる
・子どもだけで公園で遊ぶ
・子どもだけで登下校
・子どもを残してごみ出し
・高校生のきょうだいと留守番

これら全てが“虐待”に当たるというんですけれども、皆さんはどう思われますでしょうか?

埼玉県内に住む女性。
小学3年生の双子の娘たちに携帯電話を持たせ、玄関の前で見送りました。

母親
「いってらっしゃい」

子ども達が向かったのは自宅から約50mの近所の公園。
小学生の子どもだけで遊ぶ姿はよく目にする光景ですが、これも“虐待”にあたるのでしょうか。

埼玉県議会に自民党県議団が提出していた“虐待禁止条例”の改正案。
その案では小学3年生以下の子どもだけで、留守番や外出をすることは「放置」にあたり、「虐待」とみなすとされたのです。

さきほどの女性は、中学3年生の長男と小学3年生の双子の娘を育てるシングルマザー。
家庭を支えるため、介護の仕事をしていて、やむを得ず子どもだけで留守番をさせることもあると言います。

母親
「放置しているわけではないわけで、だから何をもって虐待ってみなされるのか、納得がいかないです」

条例案には子どもたちも戸惑いを感じています。

Q.(留守番中)母親から放置されたと感じる?

小学3年生の双子
「全然感じない。虐待と思わない」

Q.下校に母親が付き添いできる?

小学3年生の双子
「できないと思う。仕事ができなくなっちゃうし、お金も入らなくなっちゃうから」

母親
「結局ひとり親だったりに、しわ寄せがくるのが分かっていて、そういう条例を作るということは、その他で生活していくための支援を手厚くしてもらえるのって正直思います」

条例案に対する意見は埼玉県にも寄せられていて、1007件のうち、賛成はわずか2件だったと言います。

こうした動きを受け、自民党県議団は…

埼玉県議会自民党議員団 田村琢実 県議(10月10日)
「諸般の事情を考慮し、取り下げをさせていただきたい」

一転、条例案を取り下げました。

この決定に埼玉県民からは…

埼玉県内に住む男性
「ルール(条例)を守ろうとすると働き方を変えることも考えなきゃいけないので不安でした」

埼玉県内に住む女性
「子どもを守るという考え方は素晴らしいと思うんですけど、家庭支援というのが違う形でできないと無理だなと思います」