「貯蓄から投資へ」を合言葉に資産所得の倍増を目指す岸田総理。しかし、「投資」に関する教育は今年4月に、高校で「必修」になったばかりです。はたして日本でこうした教育は定着するのでしょうか?
金融庁総合政策局 渡邊裕美子さん
「『確実にもうかる』という投資を紹介され…危なくないなら『安全だ』と思ってはじめた。良いでしょうか?ダメでしょうか?」
先週、東京都立の定時制高校で「金融リテラシー」の授業が行われました。お金を増やす「投資」など「資産形成」の授業が4月から必修となり、金融庁の職員が「出前授業」をしているのです。
金融庁総合政策局 渡邊裕美子さん
「『リターンが高くてリスクが低い』というものがあったら、それは無いです。『ちょっと怪しいな』と思ってください」
人生で必要なお金の種類や「金利」、「投資」などのほか、「お金のトラブル」についても学びますが、授業はこの日限り。
高校生(18)
「全部は理解できなかったけど、自分のためにもなって楽しい授業でした」
アメリカではこの20年で家計の金融資産が「3倍」に増えましたが、日本は「1.4倍」止まり。投資教育の差が、理由の一つと言われています。
金融庁 中村香織 総合政策管理官
「(Q.なぜ日本で投資が進まなかったのか)何十年、株価が上がらなかったということだったり…『日本人はあまりリスクをとりたくないからだ』とおっしゃる方もいます。ただ、そこはどこまでいっても個人差」
このままでは世界に取り残されてしまう・・・、「危機感」から自ら学校を立ち上げた人がいます。
アイデンティティ・アカデミー 森山博暢 代表理事
「アメリカとかイギリスではマネーリテラシーとか、投資というのは比較的子供の頃から身近なもので、(日本でも)教育っていうのをちゃんとしなきゃいけないなという中で、そういう学校を自分でやってみたいなと」
外資系金融会社で20年以上、投資の最前線にいた森山さんは授業料が無料の「リスクマネジメント」の学校を立ち上げました。
アイデンティティ・アカデミー 森山博暢 代表理事
「『資産運用のプロになりましょう』という学校ではないので、お金の流れを知ることで社会の流れを知って、その中で自分がどういったことをしたいのか、自分で物事を選択できるようになってほしい」
みっちり4か月間、30回の授業ではほぼ毎回課題が出され、3回無断で欠席すると退学になる厳しさ。金融のプロが、どんな数字を見てリスクをどのように判断しているか徹底的に教え込みます。
アイデンティティ・アカデミー 森山博暢 代表理事
「何もしなければ何も起こらないが、時間がどんどん過ぎてしまうのは最大のリスク。結局、投資もキャリアも『リスクマネジメント』という単語に集約されるのかなと」
大学生は「貯蓄から投資へ」のメッセージを、どう受け止めているのでしょうか。
大学生
「金融リテラシー教育がなってないと、新しく投資をはじめた人が昔からずっと(投資を)やっている人に搾取される形になりうるかなと」
長らく、動かなかった日本の貯蓄は今後、投資に向かうのか。欧米と比べて遅れてきた日本の金融教育・投資教育の「本気度」が問われています。
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