埼玉県議会で議論されている虐待禁止条例改正案。
子どものみで外出したり、留守番をさせるのは、「放置」で虐待にあたるとして禁止する、という案です。
波紋を呼んでいる改正案について、前大津市長の越直美氏に聞きます。

子どもを残してごみ出しもNG!?

10月4日、埼玉県議会で最大会派の自民党県議団が「虐待禁止条例」の改正案を提出しました。小学校3年生以下の子どもを自宅に残して外出することなどを禁じています。

具体的には、
▼子どもたちだけで公園で遊ばせる
▼小学校1年生~3年生の子どもだけで登下校
▼自宅に子どもを残して、ごみ出しをする
▼高校生のきょうだいと留守番させる

が、すべて禁止。

小学校4年生~6年生については努力義務で、県民には、こういった状況を見つけた場合の通報を義務付けるということです。
ただ、罰則は設けないという形になっています。

「働けなくなっちゃう」親の声

さいたま市の方に意見を聞いてみるとー

20代母親 共働き 子ども1人
「働くなって言われてるようなものなんじゃないかな。フルタイムとかで働けなくなっちゃう。実家とかが近くにあればいいけど、なかなかそういう人もいないので。」

20代母親 子ども2人 ひとり親家庭
「学童が空いてなかったら預けられないわけだから、そしたら仕事をもうできなくなっちゃいますよね。」

30代母親 子ども1人 共働き
「少し買い物に行くとかちょっとお金を下ろしに行くとかそういう場面で、子どもを連れて出て行くのが難しいときもあって、急いで自分だけ行って帰るというのがある」

30代母親 子ども4人 共働き
「登下校が一番困ります。集団で行ってるんですけども、親がついて行かなきゃいけないのか。
あと習い事が近くなので1人で行ったりするんですけど、そういうのも駄目ってなっちゃう。本当に困るので、やめてもらいたい。生活できないっていうか、外に出られなくなっちゃう。」

30代母親 子ども1人 専業主婦
「例えば子どもが体調不良になって、でも買い物に行かなきゃいけない。そういうのもできないのかなって。
制度を整えられちゃうと、守らなきゃいけないと思っちゃうので、
守れなかったときに、虐待なんだと自分で自分を追い込んでしまいそうで、それがすごく嫌ですね。」