医師が「薬」ではなく「アプリ」を処方して治療する。そんな新たな治療法が、高血圧や禁煙の治療で始まっています。年内には不眠症を対象としたアプリも登場する見込みです。「ヘルスケアアプリとは違うのか?」「どうやって治療するのか?」治療の新たな選択肢に迫ります。
高血圧の治療用アプリは幅広い世代で効果 特に65歳以上で顕著

高血圧のこれまでの治療法は、薬の服用や食事療法・運動療法など生活習慣の改善が一般的でしたが、医療系スタートアップの「キュア・アップ」は新たな選択肢として、「治療用アプリ」を去年9月から提供しています。
「キュア・アップ」は、去年9月から今年4月までに治療用アプリを利用した22歳~87歳の患者554人のデータを公開。アプリの利用を開始してから12週後の血圧について、全ての年代で低下が見られたと発表しました。特に65歳以上の患者では、起床時で11.8、就寝前で10.1下がり、顕著な効果が確認できたとしています。
内服薬による治療には副作用の可能性もありますが、治療用アプリで生活習慣などを改善することで、内服薬に頼ることなく症状を改善したり、内服薬の処方を徐々に減らすことも期待されています。