「立浪監督」で勝ってほしい

「サンデードラゴンズ」より立浪和義監督©CBCテレビ 
「サンデードラゴンズ」より立浪和義監督©CBCテレビ 

後半戦に入ると、立浪采配に対する声は厳しさを増した。監督の責任を問う声も目立ち始めた。しかし、ドラゴンズファンは、基本「立浪和義」という野球人を愛してきた。そうでなければ、「3代目ミスター・ドラゴンズ」と呼ばれるはずがない。「立浪監督で勝つ」と信じて応援してきた。ただ、ベンチ采配にファンは敏感である。

就任1年目は若手を使うという方針に筋が通っていたため、最下位に終わっても、多くの竜党は納得していた。今季の立浪監督への声は、2年目の采配へ疑問を投げかけているのである。「立浪で勝つ」という強い期待があるからこそ、その裏返しで、厳しい声をあげるファンも多かった。それが、最終戦セレモニーの挨拶で、立浪監督自らが口にした「私への批判、不満」なのである。

球団主導でのチーム作りを!

阪神タイガースのリーグ優勝が決まった直後、球団は「立浪監督の来季続投」を発表した。その時点で、チームは借金29での最下位。契約期間も残っている中、わざわざの続投発表は、周囲の雑音を封じる意味もあったと拝察する。

球団のコメントが、スポーツ紙などでも紹介されたが、その中に「球団としても補強を含めて全面的に協力していく」とあった。「球団としても」ではなく「球団としては」と言い切ってほしかった。「も」というのは二次的な意味合いを持つ。監督が先頭を走るのではない。チーム作りというものは、あくまでも球団が主体であるべきである。

ドラゴンズは、伝統的に「監督」に依存しすぎる傾向がある。星野仙一さんや落合博満さんらマネージメントに長けた監督の時は、チームは強くなるが、そうでない場合にチームが低迷した寂しい歴史も多い。今季は2軍も負け越し37で、2年連続の最下位。チーム全体としての底上げはできていない。監督ひとりに頼らない長期的な戦略を、竜フロントには強くお願いしたい。