特徴的なのが、年配の登山者の遭難です。

県警山岳遭難救助隊 岸本俊朗隊長:
「高齢の方でどうしても行程が長くなって、夏ほど脱水症というわけでは無いんですけども、体力が無くなってしまって行動不能になってしまう事案が多かった」


遭難した52人のうち、60歳以上は、半数以上の27人。

疲労によって動けなくなったり、下りで転倒したりするケースが多かったということです。

遭難が増えた背景には登山者の増加もあります。

北アルプスの穂高連峰に通じる岳沢小屋(だけさわごや)。

坂本龍志(さかもと・りゅうじ)支配人は、登山者が集中する8月並みの入り込みが、9月も続いたと話します。

坂本龍志支配人:
「9月は特に天気がずっと良かったので、宿泊客もテント客は非常に多くて、8月に匹敵するほど多かったのはやっぱり今年初めて」

坂本さんも、登山者の技術・体力不足が気になったといいます。


坂本龍志支配人:
「疲労で動けなくなったていう救助要請が多かったのと、軽傷、捻挫とか腕けがしたその程度での救助要請がすごく多かった」
「コロナでしばらく山を休まれていた人が復帰してきて前と同じ感覚で行くけど体力がない、バランス感覚が落ちているっていうのはあると思う」

11月まで続く秋山シーズン。

街中では、ようやく秋らしさが感じられるようになってきましたが、北アルプスでは4日、穂高連峰で初冠雪を確認。

5日には、南岳で吹雪により動けなくなった70歳の女性が救助されるなど、3000メートル級の山の上はすでに冬に突入しています。


県警山岳遭難救助隊 岸本俊朗隊長:
「冷え込みが強くなりますので、ちゃんとした防寒対策、どうしても日照時間が短くなりますので、そういったことを頭に入れて、行程自体を見直すのも必要かなと思います」

7日からの3連休では、再び登山者の集中が見込まれ、県警では、早まる日没に備えたヘッドライトや、野営=ビバークのできる装備の携行など、秋山登山での注意を引き続き呼びかけています。