致死率20%超 重症熱性血小板減少症候群「SFTS」

マダニは感染症を媒介する。
特に注意が必要なのが重症熱性血小板減少症候群「SFTS」だ。

ヒトに感染した場合の致死率はなんと20%を超えるという。

このSFTS、もちろんマダニにかまれて感染することがあるが、かまれていなくても感染するケースが報告されている。

(宮崎大学・産業動物防疫リサーチセンター 岡林環樹教授)
「わんちゃん、猫ちゃんを散歩させる。そして犬、猫が(マダニにかまれ)発症する。特に猫とか犬で発症した時に、どうしても介護する時に、血液だったり体液から移るリスクがあるのではないか」

かまれていないのに「SFTS」に感染

取材班は、マダニにかまれていないにもかかわらず、SFTSに感染したという獣医師に話を聞いた。

(SFTSに感染した獣医師)
「まずはインフルエンザ等を疑ったが、発熱とか、けん怠感とかは、一緒だが、かぜ症状がなかったのでおかしいなと思って・・・」



獣医師は、2018年、SFTS疑いの猫を治療した際、マスクや手袋などの対策はしていたものの感染したという。

(SFTSに感染した獣医師)
「治療中の猫が身震いをした時に、補液剤と出血が飛び散って、おそらくそれが目から侵入した可能性があると推察されている」

SFTSは、2013年に国内で初めて確認された比較的新しい感染症だ。宮崎県内で、これまでに報告された件数は93件と全国で最も多い。

毎年、死者も出ている。


(SFTSに感染した獣医師)
「やはり不安はあった。万が一ということもあるかもしれないというところも少しは考えた。でも死ぬかもしれないという恐怖も感じられないくらいきつくて、ただ寝ているだけという感じだった」

特効薬のない「SFTS」

マダニ感染症患者の診療を行っている高城医師によると「SFTS」の正式な特効薬はまだないという。

(宮崎大学医学部附属病院感染症内科 高城一郎科長)
「残念ながら、現時点では有効な抗ウイルス薬とか予防的な薬というのはない」

野生動物との接触は控えて

直接ダニにかまれなくても野生動物やペットを介して感染することもある「SFTS」。

高城医師はこう警鐘を鳴らしている。

(宮崎大学医学部附属病院感染症内科 高城一郎科長)
野生動物との接触は控えていただいた方がいい。また、飼育しているペットの体調の変化にも注意して、体調不良の場合には、早めに動物病院を受診させていただく必要がある」

犬や猫をペットとして飼うことが多い日本。マダニ感染症によるリスクをしっかりと理解しておく必要がありそうだ。

(スタジオ)
犬や猫は、草むらが好きですよね。あんなに身近な草むらにもマダニがいるとは驚きました。
全てのマダニがウイルスを有しているわけでは無いのですが、ペットを飼っている方は、そういったリスクがあることをしっかり知っておくことは大切です。
また、これから山や草むらに行かれる方は、長そで、長ズボン、それに虫よけスプレーなど、ダニにかまれないような対策をすることも大切です。

※MRTテレビ「Check!」6月21日(火)放送分から