被害者が本来得られるべきだった利益はどうなるのか

小川キャスター:
そもそも、エイトさんはこのジャニーズ事務所の会見に、前回も出席していましたし、今回も出席されていた。このジャニーズ問題にかなり踏み込んでいらっしゃるのは、どういった思いからなんでしょうか。

ジャーナリスト 鈴木エイトさん:
自分も、ちょっと若いときに、一時芸能活動をしてきたことがあって、そのときにジャニーズの問題、一社独占の話は当時から聞いていたんですね。

しかも、旧統一教会の問題との共通点として、いわゆる異性問題もあると。ジャニーズに関しては、第三者虐待です。
(旧統一教会に関しては)教団の二世が教団団体から受ける虐待、親から受ける虐待じゃないところの児童虐待防止法などの改正も必要なのではないか。そして、勇気をもって声を上げた人に対する誹謗中傷もあります。

他に、メディアが不作為によって放置・見過ごしてきた、一時加担していたのではないかという状況から、メディアの問題、そのあたりは共通していますよね。

小川キャスター:
重なる点が多々あるという中で、今回の会見で挙手をされて、どんなことを質問される予定だったのでしょうか。

ジャーナリスト 鈴木エイトさん:
私が聞こうと思ったのは「逸失利益」なんですね。本来得られるべきだったのに、得られなかった利益のことです。これは裁判の賠償などで使われるものなんですけれども、今回の被害者の方々が事務所を辞めずに、しっかりと芸能活動できた場合の利益

今回、性加害を受けて事務所を辞めざるを得なかったときに、他の事務所に移籍しようとしても、そこにやはり圧力がかかっているというところで、完全に将来デビューして活躍したとしたら得られていたはずだった利益、これを逸失利益として、被害者の損害賠償、慰謝料に含めるのか。ここを聞きたかったんですよね。

小川キャスター:
性加害を受けなければキャリアを積めていたという方が多くいらっしゃるわけですからね。
今回、この問題は大変大きな問題になって、しかも補償もどれだけの額になるのか、これも未知数ですけれども、斎藤さん、今後どんな影響が出てくるのでしょうか。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
また、セクハラ・パワハラ・性加害の問題というのは、社会全体に身近なところにもある問題なので、私たちが見て見ぬふりをしてしまう、共犯にならないということを、もっとこの事件から学んで気をつけるべきだと思うんですね。

メディアだったら報道する、政治家だったらそういう法律を作る、私たちだったら日々身近にあるようなパワハラ・セクハラ・性加害を見逃さない、被害者の方たちに寄り添うそういうことが必要だと思います。

小川キャスター:
まずは325人の方が補償を求めている。前代未聞の事件になっています。

藤森キャスター:
まだまだ増える可能性は十分あります。

小川キャスター:
一つ一つ積み上げていくということになります。