各企業の対応は 「新たな会社とのビジネスを見直しながら人権尊重を働きかけていくべき」

藤森祥平キャスター:
岡田准一さんが退所するという発表もありました。ジャニーズタレントを起用する企業側の対応が、今後また変わってくるのかどうかという点についてお伝えしていきます。

ジャニーズ事務所の2回目の会見を受けて、日産自動車は「改革や再発防止の取り組みを注視し、将来的な弊社のマーケティング活動に関しても適切に対応していく」という内容のコメントを発表しています。続々とまた、対応が進められてきていますね。

小川彩佳キャスター:
橋田さんは、企業の対応をどうご覧になっていますか。

元ジャニーズJr. 橋田さん:
いろいろあったと思うんですが、“右に倣え”という方法にならず、「ジャニーズ事務所と関わっていくためには、こういう取り組みをしてもらわないと無理だよ」じゃないですけど、例えば一緒にこの問題に向き合っていく姿勢を各々が持ってくだされば、より良い環境が作られていくんじゃないかなって、そういう理想を僕は掲げちゃいますね。

「ダメ」じゃなくて、「うちはこうだったらやっていけます」「新会社の新体制でもこうしていきます」っていう肉付けの形になっていって、より良い形に進んでいってくれたらなと純粋に思っています。

小川キャスター:
どう企業は向き合っていけばいいのか。企業統治に詳しい高田剛弁護士に聞きました。

「企業が定める人権ポリシーに反することが明らかになった場合、株主の利益や社会的責任の観点から起用の見送りなどの対応をとることはやむを得ない」ということで、対応によっては契約更新などを見直すということもやむを得ないのではないかというご意見ではありますけれども、一方で、こうした付き合いをやめるという考え方について、ビジネスと人権の観点から見るとまた違った見方もあるということですか。

大阪経済法科大学 菅原絵美 教授:
まずは一定のスタートラインに立ったように見えた会見でしたが、本当に大事なのはこれからです。再発防止を実現して、さらには被害者の皆さんから信頼が得られるような透明性の高い救済が広がっていくことというのが何よりも重要です。

取引企業は、自社がとった行動が中長期的な人権尊重にどう繋がっていくのかということを説明することが重要になってきます。契約を切るだけでは問題が残ります。

さらには、潜在的な被害者の声を上げていくという行動自体も、抑えてしまう状態になってしまいます。なので、ジャニーズ事務所が設立する新たな企業と取引をしていく企業は、定期的に、その新たな会社とのビジネスを見直しながら人権尊重を働きかけていく。人権デュー・ディリジェンス(企業が人権侵害のリスクが無いかと調べ、対策をとり情報を開示する取り組み)の観点から、プレッシャーをかけ続けていくことというのが重要になってきます。付き合いながら、人権侵害がしっかりと解消されるよう働きかけていくことが求められると考えます。

小川キャスター:
それぞれの企業が信念を持って向き合うことが必要なのではというふうにも思いますけれども…

パトリック・ハーランさん:
基本的に株式会社は株主の利益を優先しなきゃいけないという責任もありますけれど、今の世の中は消費者もその人権を意識してます。社会が、市場がその人権を意識するようになったら、そこで株式会社と消費者、そして人権を気にする皆さんの思いが一致するんです。

結局、いいことをやっている会社に皆さんはお金を落としたくなるんですよ。悪いことをやっている会社はみんな避けたくなるから、市場原理としても人権を意識した方がいいと判断させるような社会を育てたいなと思います。