■顧問の教員も感じる大きなメリット…その訳は
生徒にも好評の外部指導員。顧問の教員もそのメリットを感じています。

(剣道部顧問 中務恭武教諭)
「私自身が全然剣道に携わっていなかったので、全く知識がない。外部指導員の植田先生が来て、非常に大変助かっています」
「最初は部活動に顔を出すのですが、その後は教育相談だったり生徒の補習をみたり、違うところで時間を使えます」
■部活動は大きな転換期「来年度から3年間で地域へ移行」なぜ?

部活動はいま、大きな転換期を迎えています。
6月、スポーツ庁の有識者会議は公立中学校の運動部の部活動について「来年度からの3年間で、休日の指導を地域や民間の団体などに移行していくべき」とする提言をスポーツ庁に提出しました。

これまで学校が担ってきた部活動。なぜ地域への移行が必要なのでしょうか。

■部活動の負担 終わらない教職員の仕事
背景の一つが教員の長時間労働の問題です。

早島中学校の勤務終了の定時は夕方の4時50分ですが、多くの教員が部活動が終わった後も業務を抱えています。

(剣道部顧問 中務恭武教諭)
「部活動を終わらせて6時半です。これから学年のこととか、家庭連絡とか・・・最後に自分の教科のことになってきます」
「そうなってくると仕事が終わるのは夜8時、9時は当たり前になってきます。」

岡山県内の中学校の教員の時間外業務は、ひと月あたりおよそ67時間と、文部科学省の指針である月45時間以内を大きく超えています。
また休日の部活動指導はひと月におよそ13時間。長時間労働の1つの要因だと言われています。
■元教員も外部指導員に…感じる多大なメリット


取り組みを進める早島中学校。外部の指導員が加わった効果は、卓球部でも現われていました。

(早島中学校 田野利昭校長)
「今は帰りの会が終わったところで、顧問の先生はまだ片付けとか一部生徒の指導をしています。そういった中で外部指導員がいますので、大人が見守っている中での部活動ができているメリットがあります。」

指導している内田隆志さんは元教員。かつては卓球部の顧問を務めていたこともあるだけに、外部指導員導入の意義を強く感じています。

(卓球部・外部指導員 内田隆志さん)
「教員のOBだから、現場が大変なのは分かる、いくらでも仕事があるから」
「何とかその役に立ちたいという気持ちがあるから『無理しなくていいよ』『覗ける時だけでいいよ、普段は任せてくれて大丈夫だから』『いざとなったらまた相談するからね』ということでやっているから。今はWin―Winの関係でいいんじゃないか」

(生徒)
「勝ちたいなと思うようになった。外部の先生の方が技術が身についていると思う。」

「部活に行ってなかったけど、内田先生(外部指導員)のおかげで上手くなりたいなと思うようになった。」