足がないことより、スマホがないことに絶望した
葦原さんが、この日、札幌を訪れたのは、初出版となるエッセイ『私はないものを数えない。』(サンマーク出版)の発売イベントのためです。
エッセイには、これまでの歩みから今後の目標や夢、人生観が葦原さんの言葉で綴られ、葦原さんの頭の中をのぞけるような一冊です。

葦原さんは、本のタイトルの通り、“ポジティブ”を具現化したような人です。
本の記述にある『実は、足がないことよりスマホがないことに絶望した!』という言葉も、それを象徴しています。
葦原さんは、事故の後、病院のベッドで意識を取り戻したとき、足を切断したことより、友達との連絡手段であるスマホがないことの方が気がかりで、歩けなくなることの不安や足がなくて嫌だという気持ちは一切なかったといいます。
「できないこと」より「やりたいこと」。
変えられない過去のことを悔やむより、今の環境で何ができるか。
葦原さんは、ただそれだけを考えているのです。