「生活できない」 免許返納に“二の足”

藤森キャスター:
その解決は難しいと思います。いま、75歳以上の運転者による死亡事故の件数は大体年間で370件あまり、単純計算で1日に1件は死亡事故が起きている。2022年は379件でした。

その中で免許を返納した75歳以上の人は、2019年に35万428人いたんですが、そこからだんだん下がっていって、2022年では27万3206人でした。いま、年間で対象者のうち返納率は5%なんですね。

返納率が伸び悩んでいる理由について警察庁のアンケートを見ると、自主返納をためらう理由は、▼「生活が不便」68.5%、▼「運転する楽しみが失われる」10.1%

実際に矢野さんはそういった現場、返納できない人の取材をしてるんですよね。

矢野記者:
高齢者にとってどれだけ車が必需品なのかというのを知るために、私は名古屋から車で20分ほどの津島市というところに住んでいる82歳の女性を取材しました。

女性の行き先はスーパーや病院のような生活に欠かせない場所だけではなく、喫茶店やカラオケのような女性自身の生きがいにも繋がる部分もあって、その上で車は欠かせないものだと思います。

さらに女性は、既に免許を返納された知人の高齢者の方の送り迎えで車を運転していくこともあるということで、車がない生活は考えられないということや、次の免許の更新もさせてもらうというようなことを話していました。

藤森キャスター:
コミュニティを繋いでるんですね、そうやってね。