高齢者の運転にはリスクも生活には欠かせない“足”

小川彩佳キャスター:
今回、この91歳の男性の取材を通してどんなことを感じましたか。

CBCテレビ 愛知県警担当 矢野司記者:
男性は杖をついてゆっくりとした足取りで歩いていて、1人で歩いて外出するのは難しいように見えました。私が話しかけても聞き取りづらいようで、私も大きな声でゆっくりと話すことを意識していました。

ただ、一歩間違えれば女の子も巻き込まれていたかもしれないということですが、この91歳の男性は、事故の重大さというものにあまり気づいていないようで、ご家族との会話もあまり噛み合っていませんでした。特に謝罪よりも先に、「私はお金を払うことしかできない。あとは保険会社と話をしてほしい」という言葉は、非常に印象に残っています。

小川キャスター:
この方は1人で暮らしてらっしゃる。

矢野記者:
男性は名古屋で1人で暮らしています。子どもはいるんですが、離れたところにいるため自分で車を運転して生活をしていたようです。

自宅から700メートルの場所には大きなスーパーマーケットもあるんですが、やはり足の不自由な男性がお買い物バッグを持って1人で歩いていくには難しい、遠い距離なんじゃないかなと思います。

藤森祥平キャスター:
こうした状況って、別に特別なケースじゃないですよね。

薄井シンシアさん:
非常に驚いています。来年65歳になるんですけれども、自転車すら乗るのが怖いんですよね。事故起こしちゃうんじゃないかなと思って。やっぱり車って凶器だから、よく運転できるなと思った。アクセルやブレーキは足で踏むじゃないですか。なかなか歩けない状態だと、どうやってアクセルとブレーキを踏むのかなって、思ったんですけれども。

小川キャスター:
慣れで体の衰えを感じないっていう部分も、もしかしたらあるのかもしれないですけれどもね。

時事芸人 プチ鹿島さん:
僕も長野県に80歳過ぎの両親が住んでるんですけど、やっぱりちょっとした“足”がないと、特に地方とかは無理ですよね。例えばライドシェアとかいろいろ議論がありますけど、そういうのと並行して解決していかなくちゃいけない話なのかなと。