カメムシがくさい理由とは そのにおいでカメムシ自身が死ぬことも!?

 カメムシが急増しているのは一体なぜなのか?また、カメムシを見つけた時にどう対処すればいいのか、害虫防除技術研究所・所長の白井良和さんに話を聞きました。

 ―――そもそもの話なのですが、カメムシはなぜあんなにくさいんですか?

 (白井さん)「敵から身を守るために自分が助かるように、においを出すということです。威嚇しているということですね」
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 ―――あのにおいは皆さんも一度はかいだことがあると思いますが、口の中が苦くなるような、とにかく不快になるにおいですよね。あとにおいがついてしまうとなかなか取れないのも難点です。日本ではたくさんの種類のカメムシが確認されているんですが、よく見られるカメムシというのがツヤアオカメムシ、緑色のものですね。そして茶色っぽいクサギカメムシ。どちらも体長15mmぐらいなんですが、もう1つ、体長が約5mmのマルカメムシというものもありまして、これは干してある洗濯物やお布団にくっついてるのを見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。種類にもよるんですが、おおむね卵から50日ほどで成虫になります。人間に対しては悪臭を発するということで不快な害虫として認識されています。ですが農作物に対して、稲・果物・豆などの汁を吸う農業害虫と指定されている。現時点で21府県で注意報が出ているということですから、農業への影響は心配ですよね?

 (白井さん)「その通りですね。やはり少しでも汁を吸ったら見栄えが悪くなるということで、かなりの被害が心配です」

 ―――カメムシ対策というのは農業ではどのようにしているのですか?

 (白井さん)「やはり農薬を使うんですけども、抵抗性があっても困りますから、なかなか苦労されているんじゃないかと思いますね。最近はカメムシに適した殺虫剤というものも市販されていますね」

 ―――あとはにおいがきついですが、毒などの害はないというふうに考えて大丈夫ですか?

 (白井さん)「そうですね。毒があって何か起こったというのは聞いたことがないので、強烈なにおいが不快であるということですね」

 ―――ちなみにどれぐらい強力かと言いますと、カメムシ自身が自分が出したにおいで死ぬくらいだと言われているんですよね?

 (白井さん)「そうなんですよね。換気されている状態だといいんですけど、密閉された入れ物とか、高濃度になると自分も死んでしまうということですね」