現在、沖縄県出身の女子選手ではただ一人、バレーボールのトップリーグ、Vリーグのディビジョン1でプレーする山内美咲選手がいます。
昨シーズンはチームのVリーグ制覇にも貢献した28歳が、今月タイリーグへの移籍を発表しました。なぜ今、海外挑戦を決意したのか。そこにはバレーボールを追求したい、競技への情熱がありました。
Vリーグ決勝で石川真佑をとめた山内美咲 今、目指すのはタイリーグ

NECレッドロケッツ 山内美咲選手
「今回の優勝は自分たちでつかみ取ったっていう気持ちがすごく強くて。今やるしかないなっていう意地だったのかなって今考えたら思いますね」
女子バレーボールVリーグファイナル。現在パリオリンピック予選を戦う全日本メンバーも多く出場する決勝の舞台に立った、NECレッドロケッツの山内美咲。
試合はフルセット、デュースまでもつれる展開。
NECはマッチポイントを奪いますが、その差は1点。緊迫の最終局面。日本を代表するアタッカー・石川真佑をとめたのは山内でした。
NECレッドロケッツ 山内美咲選手
「今やるしかない、絶対私のところに来るから、今やるしかないっていう。隣が山田(全日本女子のミドルブロッカー)だったので、絶対狙ってくるなら私だなとすごく感じていて」
「悔しかったんですね、絶対私で終わらせたくない。そこで終わらせないという気持ちで必死で左手を出しました」

西原高校時代から20歳以下の日本代表に選出され、さわやか笑顔が印象的だった山内。
山内美咲選手(2011年春高バレー県予選・当時高校2年)
「気持ちいいですね。壁が破り切れなかったので、そこを破って沖縄県女子のレベルアップを目指したいです」
高校時代から口にしていた沖縄バレー界のレベルアップ。

172センチという身長はアタッカーとしては決して高くはありません。それでも『機動力』を生かして、国内トップリーグを戦い続けチームの6年ぶりの優勝に貢献しました。
NECレッドロケッツ 山内美咲選手
「皆の努力が報われたってことで本当に感動しましたし、最後は自分にありがとうって思いました。あきらめないでがんばってくれた自分ありがとうって、過去の自分に感謝しました」
そんな彼女が、タイリーグへの移籍を決意したのは、コンビネーションや機動力を武器に個人の差をチーム力で埋めるタイのコンビバレーに惹かれたからでした。

NECレッドロケッツ 山内美咲選手
「このサイズって考えたら機動力を生かした攻撃が自分の強みなので、そういった意味で、自分が今後生きていくためにも、そこの機動力を生かした攻撃にさらに磨きをかけて勝負したいと思って」
タイには山内が大学時代から憧れる選手がいます。
タイリーグやアメリカプロリーグでも活躍する、身長170センチ、アジアを代表する元タイ代表の現役セッター、ヌットサラ・トムコム(38)です。
NECレッドロケッツ 山内美咲選手
「プレーがすごくトリッキーだしすごく面白くて、それを大学1年生から見ていたときに、この人と一緒にプレーしたらすごく楽しいそうだなっていう。そういう世界を開きたいというか、それを見るまではバレーボールは辞められない、もっともっと楽しくなるんだろうなっていう、光が見えた感じなのかもしれないですね」
「バレーボールがうまくなりたい」。海外挑戦を決意させたのは、競技へのたゆまぬ探求心でした。
最後に、バレーボールをする沖縄の子どもたちへメッセージです。

NECレッドロケッツ 山内美咲選手
「沖縄からスタートして、ここまで自分が今でもバレーボールを続けてもっと高みをめざそうって思えるのは、もっと自分に期待していいと思うし、もっと自分がこうできるんだって思いながら、挑戦することを辞めないでほしいなって一番思いますね」
「自分が後悔しない選択をみんなにしてほしいと思います」