新型コロナウイルスとインフルエンザの“同時流行”が懸念される中、一部の地域で「プール熱」の感染が“警報級”に拡がっています。アルコール消毒が効きにくい厄介なウイルスが9月になっても感染拡大する要因と対策を調べました。
「プール熱」が“警報級” どのような症状?
NEWSDIG 久保田智子 編集長:
新型コロナ・インフル拡大の中、プール熱が「警報レベル」に。皆さんの周りでも風邪っぽいなって人増えてませんか?
まず注目なのは、やっぱりコロナ・インフルの同時流行への懸念。
9月4日から10日までの1週間の数字を見ていきますと、まず、新型コロナウイルスは少し前の週よりも減りましたが、9万9744人(前週比-1545人)で、インフルエンザは2万2111人(前週比+9462人)と、前の週と比べておよそ1万人増えているんですね。
21日、東京都はインフルエンザに関して「流行注意報」を発表しました。インフルエンザっていうと冬のイメージですよね。なので、東京都も9月に発表というのは極めて異例だということなんですね。

そんな中で、「注意報」ならぬ「警報レベル」になっている感染症が「プール熱」(咽頭結膜熱)です。
過去10年で最多。福岡・大阪で「警報レベル」になっています。

「プール熱」が今というのもちょっと季節外れな感じ。
小川彩佳キャスター:
結構、保育園でも「気をつけてくださいね」っていう声かけがあるんですけど、7月から9月で、夏のイメージがあるんですよね、「プール熱」の流行って。
久保田編集長:
「プール入ってないし」って感じられる方もいると思うんですけれども、なぜ、夏の感染症がまだ9月でも広がっているんでしょうか?
感染症に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授に聞きました。その要因の一つには、記録的な暑さが挙げられるということなんですね。体力や免疫力の低下が影響している可能性があるということなんです。

小川キャスター:
特に今年は異例の暑さって言いますけれども、温暖化とか進んでいきますと、この感染症の流行の時期ってのも変わってくとおもうんです。
久保田編集長:
しかも、「プール熱」はプールだけでうつるわけではないんです。
プール熱の特徴
症状:高熱・のどの痛み、目の充血や腫れ
感染経路:接触感染、飛まつ感染
発症期間:10日~2週間
プールで接触をしている中でうつることが多いので、「プール熱」と呼ばれていますが、飛まつ感染もするので、夏休みにプールでうつった子どもたちが、そのまま新学期に学校で広めている可能性があるということです。
発症期間も10日から2週間と長いです。

しかも、かなり厄介なのが、ウイルス(アデノウイルス)に有効な薬がないということなんですね。そして、アルコール消毒が効きにくいんだそうなんです。
小川キャスター:
これは厄介というか、アルコール消毒が効かないって事があるんだっていう。
久保田編集長:
具体的には、石けんで手を洗うのが効果的だということです。さらに、タオルを共用しないということがとても重要になる。

山本恵里伽キャスター:
家族でタオル共用しないってなかなか難しいですよね。
小川キャスター:
インフルとかコロナでも気をつけなきゃいけないところではありますけども、今、いたるところでアルコール消毒液が置いてあるので、それで安心しちゃうと思いますが、やっぱり基本に立ち返って、石けんで洗うっていうのが大事なんですね。
久保田編集長:
いろんな感染症がこれまでも流行ってきて、免疫が下がってると色々言われてきましたから、やっぱり改めていろんな対策が必要だということですね。