この夏の記録的な猛暑で農業だけでなく酪農にも被害が出てます。青森県東北町では7月からの2か月間に全体で71頭の牛が死んだということです。また、牛乳の量にも変化が出ています。


北栄デーリィファーム 新山善弘代表
「こんなに暑い夏は初めてだし、こんなに畑の牧草も死ぬのも初めてだし、初めて尽くしという感じ」

青森県東北町で酪農を営む新山善弘さんです。新山さんの農場では自動で搾乳ができる最新の機械を導入した牛舎で約250頭の乳牛を飼育しています。2022年までの夏は牛舎内が高温にならないよう、窓を空けたり、換気扇を回したりするほか、牛に水を霧状にかけて体温を下げる対策をしてきましたが、2023年はこうした対策もむなしく5頭が死んだということです。また、被害はこのほかにも。


北栄デーリィファーム 新山善弘代表取
「えさが食べられなくなりました。そしてえさが食べられなくなることで牛乳がでなくなりました」

1日あたり約7トン見込んでいた搾乳量は猛暑が続いた8月、5トンまで激減したと言います。月に400万円ほどの減収です。さらに痛手となっているのは牛の体力が低下しているため人工授精ができず2024年の繁殖が見込めない状況です。


北栄デーリィファーム 新山善弘代表
「売り上げ落ちた分に対する補填とかを考えてもらえたら助かる」

こうした中、東北町で20日開かれた対策会議で7月からの2か月間に町内で死んだ牛は熱中症や関連を含め71頭と、前の年の倍近いことが報告されました。


東北町・長久保耕治町長
「国・県とも現場の実情を訴えて共に取り組んでいく必要があるのかなというふうに感じました」

町では被害状況を調べ、今後、国や県に支援を求めたいとしています。