中国EV最大手「BYD」が日本をターゲットに新たなEVを発表しました。注目は価格です。日産自動車やスバルなどが500万円を超える「普通車」EVを販売する中、363万円(税込)からという価格設定です。日本国内で7種類のEVを展開するメルセデス・ベンツのトップも来日するなど、“EV後進国”日本でのシェア拡大を海外勢は狙っています。

BYDの新EV、価格以上の乗り心地と性能?安全装置も充実

小川彩佳キャスター:
日本が世界に後れを取っているEV=電気自動車についてです。

山本恵里伽キャスター:
20日、中国のEV最大手「BYD」が、日本で新たなEVの販売を開始しました。注目はその価格です。補助金を入れると200万円台となっています。

ガソリン価格の高騰が続くなか、日本でEVは普及するのでしょうか?

現在、新車販売数に占めるEVの割合がわずか1%未満の“EV後進国”ニッポン。その日本をターゲットにし、新たなEVを発表したのが中国EV最大手・BYDです。

経済デスク 片山薫記者
「20日に発表された中国・BYDの新しいEVです。注目は価格で、補助金を入れると200万円台で購入できます」

普通車でありながら、価格は363万円(税込)から。さらに、国の補助金を使うと298万円になります。

日本のEV市場では、日産自動車やスバルなどが、普通車で500万円を超えるEVを販売。また、軽自動車では200万円台の車もありますが、BYDが狙うのはその間の価格帯。300万円台のコンパクトカーを投入したのです。

現在、EVのシェアで世界一のテスラを猛追するBYD。その性能面はどうなのでしょうか?

経済デスク 片山薫記者
「中の作りはとてもしっかりしていて、安っぽいなという感じはしません。モニターはかなり大きいですが、回転するのでナビも見やすくなっています。

この車は安全装置もほぼフルでついているということで、車線をはみ出た場合の修正機能が入るんですね」

さらに、こんな機能も注目されています。

BYDスタッフ
「車内にお子さんなどが取り残された状態で車を離れてしまうという場面において、警報が発せられるという仕組みになっています」

レーダーが子どもを検知して周りに知らせる「幼児置き去り検知システム」を搭載。

BYDスタッフ
「最初から数えて5回目の発報をした(ホーンを鳴らした)タイミングで、エアコンの作動もするようになります」

日本の脅威となり得る中国EVに、街の人は…

街の人
「ガソリン車より安いんじゃないですか」

「(中国EVは)ちょっと大丈夫かな、っていうのはあります」

ただ、攻勢を強めているのは中国だけではありません

日本国内で最も多い7車種のEVを展開する、ドイツのメルセデス・ベンツ。8月、14年ぶりにトップ自ら来日し強調したのは、日本市場でのEV戦略の強化でした。

メルセデス・ベンツグループ オラ・ケレニウス会長
「充電というところに投資して、公共の場で皆さんが欲しがっている便利さを、メルセデス・ベンツで提供したいと思っています」

日本では充電設備が不足し、EV普及の妨げになっているため、独自の充電ステーション網を構築することでEVの販売拡大につなげる狙いです。

EVシフトが加速するなか、海外勢は虎視眈眈と日本でのシェア拡大を狙っています。