歴史ある小学校を統合する理由は…?
土堂小学校と統合が予定されているのは、市内中心部にある久保小学校と長江小学校。統合の理由について尾道市では、(1)現校舎では耐震強度が弱いことや、(2)現在地がレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)であること、(3)また、現状は多くが1学年1学級の中、統合すれば複数学級ができることで教育環境が充実するとしています。統合した新しい小学校の新校舎は5階建てで、山側にある長江中学校のグラウンドに64億円かけて建設する予定です。

しかし、この方針を疑問視する住民もいます。
市民たち
「学校がコミュニティの中心の場所だから、そこをなくしたらどうにもならん」「商店街っていうのはいろんな業種の集まりですから、観光客ばっかりだとそういうお店ばっかりになっちゃう。それはどうかな?と思う」
「全く市民と対話する姿勢がないんですね。一緒にいいものを作ろうっていう姿勢が感じられないんですよ」

異論を整理すると、ポイントは3つです。
(1)まず、レッドゾーンはいずれも小学校の敷地の一部であること。例えば土堂小学校では、警戒区域となる北側の校舎は使わず、防災工事をすれば安全性が確保できるのでは、という意見です。
(2)次に、小規模校のデメリットが明確でないということ。
市民たち
「世界的な風潮だと、少人数の方が子どもに目が届いて、いいよという中で、教育委員会としては、そういう小規模校のメリットを検討されたんですかって聞いたら、『検討していない』っていうんですよ」
「いろんなカラーの学校が点々とある方が、絶対にいいと思っているので、人数が減ろうが、そのぶん、子どもたちをていねいに見れると思うので、一緒くたにグワッとやって、まとめてしまうのが一番怖い」