コクチバスが繁殖し脅威にさらされている三重県の櫛田川では…

隣の三重県には、今まさにコクチバスの脅威にさらされている川があります。三重県中央部を流れる一級河川・櫛田川では、8年前コクチバスの生息が確認されて以降、その数は年々増え続ける一方です。河川国道事務所の2022年度の調査では、卵も含めて約1万匹ものコクチバスが見つかっています。
(櫛田川第一漁業協同組合・中川勉さん)
「コクチバスはアユを追うので、アユの友釣りをしていると食いつく」
櫛田川でも、漁業や釣りなどでアユは重要な水産資源となっていますが、コクチバスによって危機にさらされています。
(櫛田川第一漁業協同組合・中川勉さん)
「コクチバスはオオカミのような性質がある。1匹のアユを、3匹4匹で追って食べる習性がある。」
この30年で、全国各地でコクチバスの生息が確認されており、その影響は計り知れません。
(岐阜大学地域科学部・向井貴彦教授)
「最初に放流された数はそんなに多くなくても、生き物は数が増えていく。いわゆるねずみ算。昔からいた生き物の中で絶滅してしまうものが出てしまうことが、一番最悪の結果ですね」
簡単ではない本格駆除、最終手段として池の水を抜いて対処へ

2023年8月、1ヵ月前にコクチバスの駆除をした郡上市のため池に向かいました。池の中には依然、たくさんのコクチバスとみられる魚の姿が。釣り糸を垂らすと簡単に釣れてしまうほど、今もなお多くのコクチバスが生息していることが確認されました。
(郡上市白鳥振興事務所・佐佐木直嗣係長)
「(Q7月に駆除してもコクチバスはいる?)1日だけの駆除では獲り切れないほどの数がこの池には繁殖してしまっている。在来魚の脅威になるので、1匹たりとも(ため池の外に)出してはいけない」
岐阜県は、今後最終手段として池の水を全て抜き、本格的な駆除に踏み切る方針です。日本河川の生態系を侵略する肉食外来魚。その脅威は今も静かに広がっています。
CBCテレビ「チャント!」9月11日放送より