金正恩総書記の訪問によって、北朝鮮とロシアの“急接近”が注目されていますが、ウクライナ侵攻以降、ロシアとの関係を深めている国は東南アジアにもあります。ロシア人観光客が急増するタイで、その背景を探りました。
タイ南部のリゾート地・プーケット。空港の到着ゲートからは。
記者
「大きな荷物を抱えた、ロシアからの観光客が大勢出てきました」
世界中から観光客が集まる島ですが、このところ目立つのはロシア人観光客です。
記者
「こちらのお店、看板にロシア語の表記があります」
観光客の急増に伴い、ロシア語も書かれた看板や標識のほか、ロシア料理を提供する飲食店も増えました。
ロシア人観光客
「ロシアからの直行便が何本も出ているので、便利です」
ウクライナへの軍事侵攻を受け、欧米諸国などがロシア人の受け入れを事実上制限するなか、タイは去年10月にロシアとの直行便を再開。今年1月から6月までにプーケットを訪れたロシア人観光客はおよそ80万人で、去年に比べ10倍近くになりました。
プーケット観光協会 ガーン副会長
「タイは微笑みの国として、すべての人を受け入れます。政府もウクライナでの戦争においてタイの利害関係はなく、中立を維持すべきだと言っていますので」
観光が主な収入源であることなどから、実利を優先させ、ウクライナ侵攻では中立の立場を維持するタイ。ロシア人の移住も増えています。
1部屋2000万円以上するこちらの高級マンション。購入した人のほとんどがロシア人だといいます。
モスクワから1年前に移り住んだサーシャさんは6月、ロシア人の友人とともにレストランを開業しました。
モスクワから1年前に移住 サーシャさん
「世界から孤立しているロシアでの生活は居心地が良くありません。多くのロシア人がビジネスを始めています。島にとっても良いことです」
こうしたなか、7月にはロシア総領事館の開設に合わせてラブロフ外相がプーケットを訪問し、タイとの結びつきを強化することで一致しました。
ロシアはウクライナ侵攻以降、制裁に加わらない東南アジア諸国への関与を強めていて、国際社会からの外交的孤立を回避したい思惑もあるとみられます。
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