体操の世界選手権とアジア大会の日本代表が試合本番を想定して演技を行う試技会を13日、ナショナルトレーニングセンターで行った。
アジア大会代表の男子団体メンバーでチーム最年少の川上翔平(19、徳洲会体操クラブ)は、鉄棒のE難度の降り技『伸身ルドルフ降り』の着地で手を付くミスがあったが、他5種目では持ち前の安定感が光り、若手らしく勢いのある演技で流れを作った。
今回の試技会で個人総合得点が一番高かったのが、東京五輪団体銀メダリストの北園丈琉(20、徳洲会体操クラブ)。1種目目の跳馬で価値点5.6の「ヨー2」を成功させると、その後の平行棒・鉄棒・ゆかで14点台に乗せる高得点をマーク、5種目目のあん馬で落下があったものの、最終種目のつり輪で着地をピタリと止め、最後まで集中力を欠かさない演技を見せた。
種目別のあん馬でも金メダルが期待されるスペシャリスト・津村涼太(20、鹿屋体育大)は、得意のあん馬でF難度「ブスナリ」、F難度「ドリッグス」など、高難度の技をダイナミックに決め、チーム最高得点となる15.050をマーク、スペシャリストとしての存在感を示した。
そして、団体総合金メダルのカギを握る体操界の史上最強兄弟、谷川航(27、セントラルスポーツ)と谷川翔(24、セントラルスポーツ)は、それぞれ得意種目での活躍が光った。アジア大会でキャプテンを務める代表最年長の兄・航は、得意種目の「跳馬」で大技『リ・セグァン2』を成功させ、チームトップとなる15.100をマーク。一方、弟・翔の得意種目は「あん馬」。股関節の柔軟性を生かしたダイナミックで美しい開脚旋回を披露し、こちらも14.900の高得点を出す好調ぶりを見せた。
試技会を終えた兄・航は「団体優勝が1番の目標。個人でも種目別でもメダルがたくさん獲れるようにしたい。そして、来年のパリに向けていい流れを作れるように、日本の強さをアピールできたらいいなと思います」とキャプテンらしく意気込みを語った。
※写真は谷川航選手
■谷川航(たにがわ・わたる)
1996年7月23日生まれ、160cm。千葉県船橋市出身、セントラルスポーツ所属。
小学校1年生から地元の体操クラブに入る。2018年に初めて世界選手権代表に選抜され団体銅メダルを獲得。東京五輪でも日本代表として団体銅メダルに貢献。
2022年世界選手権では個人総合で銅メダル、団体で銀メダルを獲得。
■谷川翔(たにがわ・かける)
1999年2月15日生まれ、154cm。千葉県船橋市出身、セントラルスポーツ所属。
弟・翔も小学校1年生から兄・航と同じ地元の体操クラブに入る。
2018年全日本個人総合選手権で内村航平選手を破り、史上最年少優勝を果たす。
前回のアジア大会(ジャカルタ)で団体銀メダル、2019年世界選手権では団体銅メダルを獲得。
2022年世界選手権では団体で銀メダルを獲得。
【アジア大会・体操スケジュール】
9月24日 男子団体総合 決勝
9月25日 女子団体総合 決勝
9月26日 男子個人総合 決勝
9月27日 女子個人総合 決勝
9月28日 男女種目別 決勝(男子:ゆか・あん馬・つり輪/女子:跳馬、段違い平行棒)
9月29日 男女種目別 決勝(男子:跳馬・平行棒・鉄棒/女子:平均台・ゆか)