被告人質問の2日目、30歳ごろからの青葉被告の生活実態を弁護人が聞いていく。仕事を何度も辞めるなど不安定な生活が続く中で、政府の国務大臣に直接メールを送ったことも明かされた。その後、京都アニメーションの作品をきっかけに「小説で身を興そう」という考えに向かったという。そして青葉被告は、インターネット掲示板に書き込む中で、ある女性監督への恋愛感情、さらに「闇の人物」の存在について語った。『事実か妄想か』具体的なエピソードが次々と続いていく。

11日の法廷は、「被告人の押送上(移送)の理由」で予定より約17分遅れて始まった。青葉真司被告は、上下濃紺のジャージ姿で法廷に現れた。

《派遣をやめた4つの理由 大臣に直接メール》

弁護人:「(3回目の)派遣を辞めた理由を聞いても?」
青葉被告:「間違いなく、派遣切りが来るとわかっていた。主に4つの理由があります、まず第一にリーマンショックが来るだろうとわかっていたからです。」
 青葉被告は、仕事を辞めた4つの理由について順に語る。2つ目は「当時勤めていた工場(外資系)の支社長が『この工場だけは残す』と発言したのを聞いて、派遣切りが起きると思った」ためで、3つ目は朝のTV番組の【為替などの情報が紹介される場面】で、「ある日から日本国債の利回りが追加された」のを見て「日本は破綻すると思った」から。4つ目は2008年の自民党総裁選の候補の発言を聞いて「最後の段階まで来た、日本の財政破綻が起きる」と思ったから。こうした理由で自ら仕事を辞め、そして、当時の大臣に対してメールを送ったという。

弁護人:「どんなメールですか」
青葉被告:「『国民はたぶん気づいていないですよ、財政破綻すればあなたは大臣も議員の職も失う、辞任すれば助かりますよ』とメールしました」
その後も弁護人は、別の政治家や、別の事件、あるいは総理大臣の行動と、青葉被告のメールとの関連について、何度も質問した。