被告人質問が終わると、被害者の弁護士が、本人の思いを代読しました。

「私はたくさん傷つきました。保護されてからも男が夢に出てきて眠れず、男の人を見ると動悸がします。男のことで母とのケンカが絶えず、母を共犯者にしました。男さえいなければ…私は男にできるだけ重い処罰を求めます」

検察は、被害者がPTSDなどの診断を受けていて、身体面、精神面ともに生涯にわたる深く拭いがたい傷を伴う影響を与えたことは明らかだと指摘。
男に対しては、自らの性的欲求を満たすため、交際相手を利用した身勝手で自己中心的な動機に酌量の余地はないなどとして、懲役9年を求刑しました。

また、男の関心をつなぎとめるために娘を犠牲にする犯行動機は、子を守る親の立場として言語道断であり、酌量の余地はないとして、母親に懲役6年を求刑しました。

一方、弁護側は男に関して、娘の体調を気遣う場面も見られるなど単なる性的欲求のはけ口にしていたわけではないなど、汲むべき事情があるとして、簡単に判決を出さないように求めました。

また、母親に関しては軽度の知的障害などがあること、被害者が男と同等の厳しい処罰を求めていないことなどから酌量減刑が相当とし、執行猶予付きの判決を求めました。