「一部の事業者だけに利益」坂本龍一さん、村上春樹さんら著名人からも反対の声
井上貴博キャスター:
再開発をする上で木は伐採します。でも、最終的な樹木の総数は維持します、という配慮などをされているようですが、反対派化すると、やはり自然が壊されてしまうということ。
でも一つあるのは、この超一等地に、施設が老朽化している中でビジネスを成り立たせるためにどうすればいいのか。都市って生まれ変わるものだと思うので、どうアップデートしていくのかっていうのは、これは科学的な議論が必要なんじゃないかと個人的に思うんです。
産婦人科医 宋美玄さん:
そうですね。歴史と言い出すと、いつまでも維持するのは難しい面もあると思うんですね。木だっていつか寿命を迎えるわけですので。この辺りは本当に緑地が多くて生態系というのもここで成り立ってる部分とかもあるので、そういったことを壊さないという視点も大事とは思いますが、おっしゃるように、いつまでも古い建物で、空調とか屋根とかないまま使うわけにもいかないので。
私個人の意見ですけれども、整備計画でしたら一応並木も残るし、緑地も増えるということで、何かそこまですごい完膚なきまでに破壊されるっていう印象を受けないので、そのどのあたりがそうなのか、開発側とイコモスの意見を両方とも、もうちょっと詳しく聞いてみたい気はする。

山内あゆキャスター:
では、著名人の反対の声も見ていきましょう。有名な方では、今年3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さん。生前からこの事業の見直しを求めて、小池都知事にも手紙を書いていました。亡くなる3日前まで反対を訴えていましたが、その主張の中では、再開発だと一部の事業者だけに利益が行く。ただ、この自然というのは誰もが享受するべきなのではないかという、そういった視点からの反対の手紙でした。
また、作家の村上春樹さん、ヤクルトファンで、神宮球場に大変思い入れのある方です。ラジオ番組では強く反対。そして当然、近隣住民からも反対の声は多くあります。
ではこのイコモスの撤回要求について、国と東京都はどう考えているんでしょうか。西村環境大臣「環境への最大限の配慮を行った事業を期待したい」。そして、小池都知事は「(環境アセスメント)=環境への評価、これについては条例・答申に従って適切に進めている。正確な情報を事業者が責任を持って行っていただきたい」。その情報提供のあり方というのも重要なようですね。

日比麻音子キャスター:
やはりこの“文化的である”というところが、大きなポイントなのではないかと。今回このイコモスがそのように言ったというところですね。
地元の方にとっては、もう何十年も何世代にもわたって、おそらくこの公園というのを大切にされてきた方、たくさんいらっしゃるということなんです。ただこの説明、未だにイチョウ並木がなくなってしまうんじゃないかと思っている人も多くいるということは、やはり情報が正しく伝わっていない、説明がしっかりできていないんじゃないかという部分もありますから、今後の向き合い方、まだまだじっくり進めてもらいたいというのは、個人的な意見ですね。
産婦人科医 宋美玄さん:
そうですね、本当何がどこまで変わってしまうのか、どこが完膚なきまでに破壊されると懸念されているのか、その辺を聞いた上で、地元の方の声も大切に、計画してほしいです。