陸上・短距離の桐生祥秀(27、日本生命)が8日、中国・杭州アジア大会(23日開幕)に向けてオンラインで取材に応じた。昨年6月に突然の休養宣言をし、復帰後初の日の丸を背負う桐生は「楽しみながら、まずは久々の大会はどうなるかな」と話した。

去年、競技へのモチベーションの低下から約4か月の休養を挟み、今季からレース復帰。国内復帰2戦目となった今年5月6日の木南記念男子100m予選で10秒03をマーク。セイコーゴールデングランプリ横浜(5月21日)での左太もも裏肉離れにより6月の日本選手権を欠場、予定より回復は早かったが炎症が長引き、約2か月間リハビリに励んだ。

復帰レースとなる全日本実業団陸上(22日開幕、岐阜)は「試合は3,4か月ぶりなので自分がどれだけ走れるかっていうのもあんまり自分自身もわかってないですね」と話し、アジア大会に向け「実業団からアジア大会は1週間しかないですけど、緊張感っていうと今全然ないですし、さすがに今から緊張するわけでもないですし、そこは楽しみながら。まずは久々の大会はどうなるかなというそっちの方が楽しみがありますね」。

前回、2018年のジャカルタ大会では4×100リレーに出場し、3走を走り日本に20年ぶりとなる金メダルをもたらした。個人種目では、2014年の仁川大会を欠場しているため、今大会が初出場となる。

日本代表として個人で100mに出場するのは世界陸上ドーハ以来(2019年)となった桐生は、「やっぱり個人で出たいと思いながら陸上をやっているので、この2、3年は東京五輪であったり、代表として目標にしていた大会に出られなかったので、しっかりアジア大会で結果を残して来年はパリ五輪があったり、その次は世界陸上東京があったりするので、そういう波につなげたいなと思います」と来年のパリ五輪と2025年の世界陸上東京も見据えた。


【アジア大会 男子100m日程】
29日 予選
30日 準決勝、決勝


■桐生祥秀(きりゅう・よしひで)
1995年12月15日生まれ。滋賀県出身、東洋大〜日本生命所属。
2017年09月の日本インカレの100mで日本人初となる9秒台、9秒98(+1.8)をマークした。
2022年6月日本選手権後に突然の休養を発表、のちに難病の潰瘍性大腸炎だったことを告白。2023年に競技に復帰し5月の木南記念で10秒03をマーク、復活をアピール。

【アジア大会公式】
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