確認できる犯罪歴にばらつきが…

小川彩佳キャスター:
日本版DBSの報告書が取りまとめられましたけれども、積み残しの課題も残されていますよね。

山本恵里伽キャスター:
そのひとつが、犯罪歴の範囲です。日本版DBSで確認を求めるのは、性犯罪で有罪判決を受けた人ということになります。ですので、性犯罪捜査の対象にはなったけれども、不起訴処分となった人などは、対象にならないという方針です。

ただ、盗撮は撮影罪にあたるので、対象に。痴漢の場合は、不同意わいせつ罪に該当する行為は対象となる。青少年健全育成条例といった、自治体ごとの条例に則って、検挙される場合もありますので、ばらつきがあるということで、更なる検討が必要とされていますよね

課題は、まだあるんですけれども、導入が任意となっている大手学習塾は、期待の声を寄せているんです。

日能研「子どもたちの安全を守るため、前向きに検討していきたい」

SAPIX小学部「制度を前向きに捉えていて、制度ができたら、社内で早急に検討したい」

小川キャスター:
事業者からも求められている日本版DBSですけれども、大手学習塾からは「面接などでは、不適切な人物か、完全に検知できないところに難しさを感じている」という声も上がっています。

親としても同様で、見分けることはできない。でも、先生たちを信用したい、信頼したい、疑いたくもないんですよね。

ただ、ひとたび、性犯罪が起きてしまえば、それは一生涯にわたって、心に傷を残し続けることになる。人生を台無しにしてしまうのが、性犯罪でありますから、この適用範囲が十分なのかどうかも含めて、今後議論を続けていく必要があると思う。

慶應義塾大学 宮田裕章 教授:
先行して10年以上の歴史があるイギリスでは、この仕組みは、性犯罪者を照会していくというよりは、職に就くための安心材料、信頼を得るためのツールになっているんですよね。

子どもと大人って、絶対的な力関係があって、例えば、赤ちゃんに対する性的虐待の事件もありましたが、声を上げる力もない。そんなときに、本当に信頼していいのかどうかという不安が社会の中にあるので、そういった、あってはならないことを防いでいくための、ひとつのツールにもなるでしょう。

今までは、性犯罪というのは、犯罪者そのものを社会から抹殺するかどうかという2択にしかならなかったんですけども、子どもに関する職につかないようにするという形で、社会全体をより良くするためのアプローチにもなっていくんじゃないか。

今後、学習塾だけじゃなくて、子どもを対象にするような芸能事務所や、いろいろな事業者にとっても、重要になるんじゃないかなというふうに思います。