「大気の状態が不安定」ってつまりどういうこと?

日比キャスター:
4日は北関東、栃木や茨城などで「記録的短時間大雨情報」が出されました。宇都宮市でも車のタイヤが半分埋もれてしまうぐらいに雨が降ったということになります。

広瀬駿 気象予報士:
だいたい浸水30~50センチぐらいになると車の運転もできなくなってしまうので、浸水している状況では、無理に移動しないというのが大事になるのかなと思います。

日比キャスター:
そうですね。そして5日は、北海道の苫小牧市で12時間の降水量が131ミリ。運休など影響も出ましたし、島根でも断続的に4日の夜から雨ということで、一時「土砂災害警戒情報」が出されるなどしました。

さらに、発雷確率を見ていきましょう。

広瀬駿 気象予報士:
5日の夕方の予想の情報ですが、色が黄色、オレンジ、赤、濃い赤茶色になるにつれて、雷が起こりやすいことを表し、全国的に雷が発生してもおかしくない状況になります。6日、7日、8日と、同じような状況が続いてしまいそうです。

日比キャスター:
4日からの雨などを見てみても、いわゆる大気の状態が不安定という状況が続いているということですよね。「大気の状態が不安定」って、なかなか一口には説明できないと思うのですが、つまりどういうことなのでしょうか?

広瀬駿 気象予報士:
空全体のバランスが非常に悪くなっているんですね。そのきっかけになるのが、空高いところにある寒気です。冷たい空気には重たい性質があるので、グラグラと空全体のバランスが悪くなります。

あとは、地上付近に暖かく湿った空気がたっぷりあること。水分、水蒸気がたくさんあるときは、意外にも空気は軽くなります。軽い空気で持ち上がっていくので、その分、雷雲が発達しやすくなってしまう。
そのきっかけを与えてしまうのが台風というわけです。

ホラン千秋キャスター:
台風もあれば、局地的な雨もあれば、暑さもある。ジェイソンさんは、どれが一番厄介だなと思っていますか?

厚切りジェイソンさん:
いや、全部厄介ですけどね。なんでこんなに増えてるのかなと。2023年は特に不安定な感じがしますけど、これからずっとこんな感じなんですか?

広瀬駿 気象予報士:
もしかしたら、これが常態化してしまうかもしれないんですね。

異常気象が相次ぐことが普通の状態になってしまう未来が予想されていますが、もうその未来に片足を突っ込んでいるというか、突入しているような状況なので、これまでよりも災害の備えが必要になってくるのかなと。

ホランキャスター:
台風の進路図で、関東や東北は台風の西側になっていましたが、東側のほうが雨風は結構強いっていうじゃないですか。西側はどれぐらい影響を受けそうなんですか?

広瀬駿 気象予報士:
全体として、もちろん反時計回りに風が吹いているので、東側のほうが湿った空気が南から流れ込みやすいです。

でも周りが全体、湿った空気に包まれていて、それが日本列島にぶち当たっているようにやってきているので、全国的に台風、熱帯低気圧の西でも東でも、天気の急変には注意してほしいかなと思います。

日比キャスター:
では今後の影響について、天気図でも見ていきます。

広瀬駿 気象予報士:
実は6日、7日の雨の予想なのですが、結構変わる可能性があります。

5日の夜の予想天気図では、九州の東にあるのがもともと台風12号だった熱帯低気圧で、南にこれから13号になる熱帯低気圧があるのですが、どちらに湿った空気が目がけていくか、予想が分かれています。

今のところ、もともと12号だった熱帯低気圧の影響で、非常に激しい雨が降る可能性があるとみているのですが、これから13号になる熱帯低気圧に止まった場合は週末、特に関東などは大雨になりやすくなってくると思うので、最新の情報を確認をしてほしいです。