まず、検察側は「(青葉被告は)京アニに小説を応募するも落選。それを盗用されたと一方的に思い込んだ。妄想に支配された犯行ではなく、完全責任能力がある。筋違いの恨みによる復讐だった」と主張しています。

一方、弁護側は「被告の人生をもてあそぶ人物への対抗手段で反撃だった」と話しています。

刑事責任能力の有無は、良いこと悪いことを区別する能力、そして悪いことだと思ったときに犯行を思い止まる能力がポイントになるのですが、(青葉被告は)それが著しく減退していた。仮に完全になかった(=心神喪失)ということであれば無罪、そして無罪でないとしても、心神耗弱で刑の減軽を求めているというわけです。

裁判員裁判は最大32回、143日間という“異例の長さ”

専門家の若狭勝弁護士に話を聞きますと「刑事責任能力の有無を裁判所がどう判断するかで量刑が決まる」とのことですが、そのポイントはどこになってくるのでしょうか。

すでに警察は鑑定留置を行っており、今後は裁判所としても精神鑑定を行っていきますが、ここが大きな判断材料になる。

そして、青葉被告が語る動機が重大事件につながっていくものなのか。ここが不可解だと責任能力の判断に影響してくる可能性もあると、若狭弁護士は話しています。

ホラン千秋キャスター:
やったこと自体は認めます。ただ、なぜそこに至ってしまったのか、そこに刑事責任能力があるかないかを争いますということですが…。

なぜこんな事件が起きてしまったのか。そして大切な人が巻き込まれなくてはならなかったのかという動機について、(被害者や遺族は)4年という長い間、わからないまま過ごし続けていらっしゃるわけですよね。

厚切りジェイソンさん:
多くの被害者も早く、結末とは言えないかもしれないですけど、ちょっと進んでほしいものがあるというのも共感できます。

それほど重い事件なので真剣にやってもらいたいというのもありますし、ある程度時間がかかるのはしょうがないかなとも思いますけど、もっと早められるところがあれば早めてほしいですね。

南波キャスター:
ここからもある程度の時間は要するわけで、裁判員裁判は異例の長さです。予備日も含めて32回行われ、判決は2024年1月25日。143日間というのはもう、裁判員裁判では相当長い日数になります。

今後の審理は事件の動機と経緯、あとは責任能力、それからどれほどの量刑を科すか。これが3段階に分けて進められていくことになります。さらには被害者遺族も、法廷で青葉被告に質問をする予定となっています。

日比麻音子キャスター:
遺族の皆さんが納得できる形で、青葉被告もしっかりと自分の言葉で話してもらいたいものですよね。

厚切りジェイソンさん:
そうですね。納得できる言葉はないんじゃないかなと思いますけど、何も言わないままずっと待っていると、それもそれで厳しいですけどね。

ホランキャスター:
医療関係者の皆さんがつないだ命だからこそ、本人の口から「なぜここまで至ったのか」というところを、私たちもしっかりと見つめていきたいなと思いますね。

日比キャスター:
今後、最大で32回裁判が行われる予定です。