平成以降、最も多くの犠牲者を生んだ凄惨な京アニ事件から4年が経ちました。5日に初公判が行われました。

争点は“刑事責任能力の有無” 

南波雅俊キャスター:
振り返っていきますと、2019年7月、アニメ制作会社・京都アニメーションに男が侵入し、「死ね」と叫び、ガソリンをまき放火しました。

亡くなった方36人、そして重軽傷を合わせて32人という事件でした。

殺人など5つの罪で起訴された青葉真司被告(45)ですが、全身9割以上のやけどを負って、重篤な状態から治療で回復。この治療もあって、4年という月日がかけられたわけです。

治療の経緯も見ていくと、「最初はもう救命すること自体が無理だと思っていました」と元主治医は話しました。予想死亡率も95%でしたが、懸命の治療で意識は戻りました。

けれども青葉被告は「どうして自分をそこまで治療するのか。価値のない人間にそういうことをするのか」という発言もあったそうです。

ただ、元主治医の上田敬博医師は「司法の場に出すために生かさないといけない」と治療を続け、「謝罪の言葉を述べてほしい」、さらには「裁判に対しては必ず正面で向き合って、決して逃げないでほしい」という思いを話しました。

5日の青葉被告は上下青のジャージを着用して、丸刈り。車いすに乗って出廷しました。「起訴内容について私がしたことに間違いありません。事件当時はそうするしかないと思っていた。たくさんの人が亡くなるとは思っていなかった」と供述しました。

弁護側は刑事責任能力の有無について争う方針を掲げています。では、それぞれの主張を見ていきましょう。