■電話くれた家に土砂が直撃 中学生含む20人死亡「もし行っていたら…」

電話をくれた住民らが身を寄せていた民家は、そのあと土砂が直撃。


中学1年から83歳までの避難していた20人全員が亡くなりました。長年、集落で共に暮らしてきた顔なじみでした。

(トシエさん)「悲しかったですよ。私たちの集落で、世の中でこんなことがあるのか、こういう目に遭うものなんだと」
(和文さん)「母から『すごいことになっている』『もう分からない』と電話がきた。もう1回電話したが、つながらなくなった。山が崩れるとは思ってなかった」



災害では、賀籠六さんの自宅も、避難した後にそばの山が崩れ、倒壊しました。20人が亡くなった民家の跡地では慰霊式が開かれています。

(和文さん)「もう30年経ったなと。元気だった人たちと話をしたことを思い出す」
(トシエさん)「私も死んでいたかもしれないと思う。どこかに行けば助かるんじゃないか、そういう心構えを持たないといけない」



扇山土砂災害から30年。経験した人たちの心にはあの日の記憶と教訓が今も深く刻まれています。